今日は、うちのアホ息子たちのことを。
小2の次男坊が先日の朝、私にすごい笑顔で言いました。
「ねえお母ちゃん!あのね、寒い時はね!走ると寒くなくなるんだよ!」
……ええと、それは君が幼稚園に通うか通わないかくらいのころから母ちゃんも父ちゃんも何度も何度も言ってきたことで、やせっぽちで極度の寒がりの君が寒いと言うたびに
「ぴょんぴょん跳ねてごらん?」
「走ったらあったかくなるよ」
「体を動かせばいいんだよ」
と何度も何度も言ってきたよね?
実際に一緒に公園を走ったこともあったよね?
幼稚園では冬は毎朝園庭を何周も走って体を温める時間があったよね?
去年サッカー少年団に入ってからはもっと走って体を温める経験をしてきたはずだよね?
なのになぜいまさら?
と私の頭の中には?が乱立し、情けなくまたその屈託のない笑顔が可愛くもあり、とりあえず顔をひきつらせながら「そっか、すごいことに気づいたね」と答えると「うん!」と大きな声で答えながら彼は元気に登校してゆきました。
このことを夫に話しながら、私はふと少し前の小3長男の話を思い出しました。
それは、持ち出し禁止にしてるDSの事。
我が家はDS・3DSは持ち出し禁止です。それは長男が小1の時に買った当初から私と夫が口酸っぱく言っていることで、精密機器だから衝撃で壊れるかもしれないこと、ソフトを無くしたとか盗られたとかのトラブルがつきまとうこと、公園に置き忘れて盗られた子がいることなど、想定される事態と実際に見聞きした事例をいくつか並べて持ち出さない方が良い理由を説明し、彼も納得した上で家からは持ち出さないこと、お友達が持ってきても借りたり触ったりしないことを我が家のルールとしていました。
最初にしっかり話をしていたし、周りでDS絡みのトラブル(集団で遊んでいるときに一人の子のDSが壊れていて誰が犯人かわからない、とか、ソフトを公園で無くした、とか)があったと聞くたびにその内容を話して聞かせていたので、長男も次男も理解した上で持ち出さないようにしているんだと思っていました。
が、先日長男が遊びに出た日の夕方、私の方に深刻そうな顔をして近づいてきて
「母ちゃん、母ちゃんの言ってたことは本当だったよ…」
というのです。
なにごとかとよく話を聞いたら、その日一緒に遊びに行っていた子が自転車の前かごにDSを入れたバッグを入れたまま溝に突っ込んで、そのあと水没したDSが動かなくなったと。目の前でその惨状を見て始めて、あぁお母ちゃんが言っていたのは脅しじゃなくて本当に起こることだったんだ、とびっくりしたと。
え?
脅しだと思ってたの?と。
怖い声でも大げさに言ったのでもなくいつものトーンで淡々と言って聞かせていたはずのことだったのに、奴らは「どうせ母ちゃんが脅してるんだろうけど守らないとうるさいから守っとこう」と思っていたのか!?と衝撃が。
いや、よく話を聞いてみたらそれほどの深いものでもなさそう。
彼らは話は聞いていたけどほんとにそうなっちゃうとまでは思ってなかった、よくわかんないけどダメって言われたからしない(理由はすっとばして結論だけ受け取ってる)だけだったっぽい。
長男のこの話と、次男坊の走る話、大人の感覚からしたら耳から入る知識や受動的な経験として脳のなかに入っているだろうと思っていたことが、実際には彼らのアタマにはしっかり入っていなかった。
それが私にはすごく面白くて、衝撃的な発見だったのでした。
彼らは、言葉による予備知識も持っていたし、周りの人から与えられた環境でやってみた経験も持っていた。だけど、自分の意志で自分でやってみて、目の前で見てみて、初めて自分の知識として頭に叩き込まれた。
私が親として口うるさく言ってきたいろんなことは、もしかしたら私が思っているよりはるかに少ない濃度でしか伝わっていないのかもしれない。
男の子は話を聞いてない、お小言は右から入って左から抜けている、お説教のあいだは宇宙人と交信している、等々の逸話は今までもいろいろ聞いたことがあったし息子たちを通して経験してきたことでもあったけど、
「聞いてはいたけど自分で体験しないと理解できない」
というのは初めて直面したことで、アホ男児のアホさはこんなにすごいのか!と、その発見を帰ってきた夫を捕まえて一生懸命説明するほど衝撃的でした。
これは男児特有の脳の構造なのか、子供ってこんなもんなのか、それはよくわかんない。
そして冷静に考えてみたら、大人も周りからいろいろ言われながらも実際に体験してみて初めて納得がいくこともあったりするし、根本的には同じなのかなぁと思ったりもする。
彼らのはそれがもっと純粋なだけなんだろな。
アホ男児の素行に悩むお母さんがた、お子さん、くどくど言っても、冷静に言い聞かせても、具体的な事例をあげてわかりやすく説明しても、結局奴らには届いてませんぜ。
ほっといて、自分の意志で動いて、自分で経験してみないと、わからないんだから、もう言わなくてもいい?……いや、やっぱ言わずにはおれんよね、うん。