スズコ、考える。

ぼちぼち働く4児のははです。

ムーニーのCMに感じたモヤモヤしたものの正体と、あれがリアルだと感じるお母さんに伝えたいこと。


思い出した記憶

 

話題になってたCMのことですね、これね。

www.youtube.com

 

TLにはママさんたちの叫びにも聴こえる声が並んでた。

恐々見たけど、やっぱり私も鳥肌立ちましたね。

もっと部屋は散らかっていて、もっと髪も振り乱していて、もっとボロボロだったけど、ほんともうあんな感じで新生児を抱えていた自分、チンする余裕すらなく菓子パンをかじっていた自分、寝られなくて泣いていた夜。

それがとてもリアルに描かれていたと思う。

 

えぐられた古い傷

自分の過去は過去として抱えて生きているのだけれど、でもそれを最後にえぐられた。

「その時間が、いつか宝物になる。」というその言葉で。

 

長男を産んでから13年、干支一周分以上の時間が経過しているのだけれど、それでも宝物になんかなってない。痛々しい、古い傷。

 

自分の子供たちが育児をする頃にはあんな気持ちを味わってほしくない、もっと楽に、楽しく、赤ん坊との時間を過ごして欲しいと本当に心から思ってる。

 

同じような声がTLに並んでて、ネット上のメディアでも取り上げられていた。

私だけじゃなかったんだ、と改めて思った。

 

それでもそれが今もリアルだという現実

現役の赤ちゃんを抱えるお母さんからは「でもそれが今でもリアルだ」というリプライをいただいた。

良くも悪くも今もそれが自分も直面している現実であって、美化したり感動ポルノに仕立てていたりするCMよりよっぽど好感が持てた、と教えてくださった。

 

なるほど、と思った。

 

私が過去のトラウマを思い起こさせられるほどのリアルさ、それは、今まさにそこにいる人たちにとっては自分の現状が可視化された状態、熱心に育児参加する父親像や祖父母などのサポートが入って楽しそうに育児する姿よりよっぽど、共感の持てるものだったのかもしれない。

 

確かに、あの過酷な新生児期の自分がたまたまつけたテレビ画面で仕事帰りに買い物をして子供を保育園に迎えに行って夕食を作ってくれる夫の姿や家族で楽しそうに食卓を囲む様子、夜泣きの世話をする父親の横で安心して眠る母親の姿を見せられたら。

手に入れられない理想を突きつけられて泣き崩れていたかもしれない。

あの頃の私だったら、ムーニーのCMは自分のリアルを映し出してくれているのだと共感したかもしれない。

 

共感はわかる、でもやっぱりモヤモヤを感じる理由

あの頃は共感したかもしれない、でも今見ると辛い。

見ていてモヤモヤする。

 

なんでだろうと考えて、ひとつ見えてきたもの、

それは

「繰り返さないで」という私たちの抱えている気持ちなんだろうなと思う。

 

どんなにそれがリアルでも、

どんなにそれが今もある現実でも、

でも、やっぱり私は通り抜けてきた経験者として、

血だらけになりながらサバイブしてきた身として、

 

ここで立ち止まることを良しとしないでほしい

 

と思う。

 

肯定してはいけない現実だと思う、たとえそれが今の誰かのリアルでも。

 

 

ワンオペ育児になってしまう理由は様々だろうと思います。

夫が早く帰宅できない就業環境の問題かもしれないし、自分も育児に積極的に参加したいという父親の意識の問題かもしれないし、母親なんだからと周りに助けを求めることを自ら制限してしまう母親の抱えている問題かもしれない、母親なんだからそのくらい当然だろうという外部からの圧力を感じるからかもしれない、もっと他にも、いろんな要素があるかもしれない。

 

いろんな理由や環境ゆえの要素が絡み合って結果的にワンオペ育児になってしまっている、そんな辛い今を本人が止むを得ず飲み込むのは仕方ない、でも少なくとも外野が肯定して欲しくない、と焼け野原をボロボロになってサバイブした私は思うのです。

 

もっと、ゆとりを持って赤ちゃんのお世話ができていたら、もっとゆっくり眠れていたら、もっといつも笑顔でいられたら、そう思って今も引きずっている私たちの後悔を、辛かった記憶を、「いつか宝物になる」なんて言って欲しくない。宝物になんてなってない、何年経ってもトラウマでしかない。

 

これから子育てをするすべての人が、あの辛い思いをせずに済むように、いつも笑顔で子供を抱ける日が続くように、と願わずにはおれない。

 

最後に

今ワンオペ状態で辛いお母さんへ。

 

今の辛さは「母親なんだから仕方がないこと」じゃないです。

我慢しなくていい、もっと、周りを頼っていいと思うのです。

(それは、私ができなくて辛かったからこそあえて、そう言いたいの)

 

夫が頼りにできないなら行政のサービスや改善の方法がきっとあります。

ちょっとずつでもラクになる方法はきっとある。

twitter含むネット上にはそれを知ってるお母さんたちがたくさんいるから、リアルで一人で辛い時は同じくらいの子を持つママさんたちと繋がったり、先輩ママさんに色々教えてもらったりできると思う。

 

 

一人じゃないよ、大丈夫だから、あなたはもっとラクになっていいの。

 

 

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