NHKラジオはもうかれこれ数年聴き続けておりまして、午前中の「すっぴん」の育児相談「こそだてカフェ」は大日向雅美先生の回を中心に参考になる回も多くあり、仕事の余裕があるときにはよく耳を傾けています。
以前にも記事にしたことがありました。
今日は小学校1年生の親御さんから、子供が嫌がらせを受けて困っているというご相談で、どう対処したらよいか、という感じのお話、回答者は尾木ママでした。
「いじめ」?「いじめじゃない」?
小1のお子さんが遊ぶときに嫌がらせをされているけど離れたり嫌だと言ったりできていない様子、というお話。「他の子と遊べば」とお母さんは思うけれどまだ他の子と上手に遊べていないようで、つい誘われてその子と遊んではいじめられてしまっている、という感じでした。
回答の中で、これはいじめなのかいじめじゃないのか、という話題になっていました。
尾木ママは「これはいじめじゃない」とバッサリおっしゃっていました、ここについては何を根拠に、という部分があまり掘り下げられていなかったのでちょっと物足りなさを感じたのですが、お話の流れからまだそれをはっきりと判断するのが難しい段階なのだろうとは思いました。
我が家の小1も身の回りに起こったことをまだ上手にお話するのは難しいのかなと感じることはよくあります。
お友達からされたという嫌なことについて色々と話を聞いていても、少し時間が経つとちょっとニュアンスが変わっていたり、他の子や一緒にいたらしい上の子たちに話を聞くとまたちょっと違う話になっていたり。
当人だけから話を聞いていてもまだ色々と判断しづらい年齢なんだろうなと思います。
先生にどう話す?
相談者の方は学校の先生には連絡帳で知らせたりしているようでした。
学校の方も本人に働きかけたりしてくれている様子。
学校の先生にとってもスタートしたばかりの小学校生活でまだ子供達それぞれの情報も少ない中、それぞれの家庭からの色々な情報は学級経営やトラブル対処のためにも必要なものなのかもしれません。
尾木ママは回答の中で、嫌がらせなどの行動をただ正すだけではなくて、ここから先クラスの中での席替えや授業、運動会など学校全体での様々な活動の中で子供達の人間関係がどんどん変わっていくことで嫌がらせをしている児童とは別の子との関係も築けるようになっていくのでは、ということもお話していました。
「とにかく学校になんでも話して」と尾木ママ。
それを元に学校が色々と考えてくれるだろうから、どんどん情報をあげてほしいとのことでした。
相手の親御さんとどう関わる?
相談者のケースでは相手の子の親御さんには何も話が行っていない様子。
「相手と直接のやり取りをしては」と出演者のユージさんが仰っていたのだけれど、尾木ママは「それはやめた方が」とバッサリ。
学年が上がって保護者同士の面識があればやり取りが成り立つかもしれないけれど、まだ入学したばかりで面識も薄い状態で突然「お宅の子に嫌なことをされた」と話を持ちかけることをすれば親同士のトラブルに発展する可能性がある。まだ学校に任せておいた方が良い時期ではないか、という感じのことを仰っていました。
親としては、もし我が子が何かしでかしていたら知りたい…と思うだろうなぁとは思います。
ただ、子供からの情報だけを元に相手の親御さんとやり取りしてしまってこじれたケースは私も実は経験があります。やり取りの中で細かく情報を集めたら相手のお子さんの話がかなり異なっていたりしたことも。子供はあくまでも自分のフィルターを通した話をしてくるもの、それをふまえて丁寧に接していかないと話がこじれやすいのかもしれません。
これまでの上の子たちの経験からは、日常的に担任の先生と話をしやすい関係をあらかじめ作っておくと何かあった時に学校側からも伝えやすいのではないかと思います。
学校でのトラブルをどこまでどんな風に親に伝えるか、というのはそれぞれの親御さんの性格や家庭環境なども含めて、先生としても悩ましいところなんだろうな。
そういう意味でも、まだ学校側が児童や各家庭の状況を把握しきれてない小1の今の時期は情報を集めることを優先した方が今後のためによい時期なのかもしれません。
じゃあ何ができるの?
相談者さんは家での対処として
①子供の話を聞いて嫌な気持ちを受け止める
②「嫌だからやめて」と言ってみたらと促す
③「違う子と遊んだら?」と促す
の3つをやってみている、と仰っていて、私も似たようなことをやってるなぁと思って聴いていました。
が、尾木ママの回答は「②と③はしない方がいいかも」とのこと。
やめてほしいということも、違う子と遊んだ方がいいだろうということも、おそらくは子供自身も頭ではわかってる、でもできてない。
わかっているけれどできずにいることを親に言われてしまったら、できない自分に直面することになる。それが高じると、嫌なことがあったことそのものを親に話すことができなくなってしまわないか、とのことでした。
我が家では私が結構な頻度でそう言ってきていたけれど子供たちはあれこれ話してくれるので、その辺は他の要素も関わっているのかな〜とは思うのですが、それでも確かにそうだなぁと思ったのは事実。
①の「話をしっかり聞いて気持ちを受け止める」という部分だけをしてあげていたらそのうち子供達が自分で②も③もできるようになる、と尾木ママは話していました。
結局、できるのは「聴く」ことだけなのかもしれない
気になるところは色々とありつつも、最終的に大事なことは「ただ聴く」ということだけなのかも、と思うに至りました。
私がここでも何度も何度も引用してきた、これですね。
子供の話をしっかりと聴いてあげること、感情を受け止めてあげること、それだけを続けていたら子供は自分たちの世界で自分の力でいろんなことを切り開いていけるのかもしれない。
もちろん、深刻なケースに至るのが周りの大人から見えた時にどう介入するか、というのも大事なこと。でもその時にも、前段階でしっかりと話を聞けていたかどうか、というのはその後の流れに大きく影響が出るようにも思います。
おわりに
こうやって書き連ねながら、あぁそういえば昨夜宿題がめんどくさいとごねる次男にネチネチお説教をしてしまったな…と思い出しました。
次男の気持ちをもっと聴いてあげればよかった、反省です。
「頭ではわかっていてもその場ではうまくできない」
まんま、昨日の私です。
大人になってもそんななんだから、子供たちはもっともっと毎日いろんな渦の中で生きてるのかもしれない。
改めて、聴かないとな…と感じています。
「話し方聴き方大全」読み直そうかな。
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