スズコ、考える。

ぼちぼち働く4児のははです。

学校との間のディスコミュニケーションのようなものを掘り下げた話。


1ヶ月ぶりに書いてます。相変わらずです。

 

ちょっと面白いなと思うお話があったので書いておこうかなと思ったのです。

(リアル知人の話なので場面設定等ちょっとフェイク入ってますが本筋は変えてません)

 

舞台は小学校の図書室です。

お友達ママさんとの会話の中で

「先生が『1年生は絵本しか借りられない』と言ったから、それで物足りない子が不満に思わないか心配」

と言うお話が出ました。

 

うちの子たちとは違う、大規模校に通っているお子さんがそう言っていたと。

子どもたちからそういうの聞いた事なかったな〜〜と思って、その後【うちの子・うちの子の学校の司書さん・その学校の司書経験のある知人】の3者に聞き取り調査(というほど大げさなものではありませんが)を行いました。

 

①うちの子の証言

「そんなこと言われたことない」

「一年生でもなんでも借りてたよ」

 

②うちの子の学校の司書さん

「そういう指示はしたことないですね〜」

私「学校の司書さん業界での通例とかでもないですか?」

「うん、ないと思いますよ〜」

 

③その学校の司書経験のある知人

「あ〜それはね、絵本しか読ませないって話ではないよ〜」

私「!!!!!」

 

知人の話をまとめますと、こういうことのようです。

 

小学校に入学すると休み時間に自由に借りたりする前段階で授業の一環で「図書室の利用の仕方」をまず学ぶことになる。

その時に、1時限(40分かな)の枠の中で「説明を受ける・本を選ぶ・貸出カードを書いたりと借りる作業をする・片付けて教室に戻る」までやらないといけない。

 

大規模校となるとうちの子たちの小学校より図書室自体が広く、蔵書も多い。

その図書室内で1年生1クラス30人程度を「自由に選びなさ〜〜〜い」と野放しにするとどうなるか。

 

そこにいる大人は担任と司書の2人程度。

(副担任がいたり司書が複数いる学校だともうちょっと多いこともあるかも)

 

30人の中には、地域の図書館に行き慣れて好みが絞れている子もいれば、本など読んだこともない子もいる。経験値も生まれ持った特性も様々な30人が一斉に図書室内に放たれたら「借りる本を選ぶ」という作業だけでも40分の授業があっという間に終わってしまうような状況になってしまって、「借りる」までたどり着けない。

 

だから、現場にいる先生の判断で

「ここからここまでの棚の中から選んでね」

って、背の低い低学年用の本が並んだところから選ぶように促すようにしてたよ、そういうことなんじゃないかな、と友人。

 

なるほどなるほど。

子どもを通して保護者に伝わっていた

【1年生は絵本しか借りられない】

という決まりごとのようなものは、実は学校という現場の中での色々な背景由来の理由があった上での暫定的な処置だった、ということがわかります。

 

友人によると、担任次第だとは思うけど、借り方のレクチャーがある程度進んでみんなスムーズに借りられるようになったら、その子の程度に合わせて選べる本の幅を広げられるようになったりするんじゃないかな〜とのこと。(「担任次第」というのがポイントではありますが、本題ではないので今日はスルーしときます)

 

似たようなお話は、うちの子たちの間でも良くあるのです。

 

例えば、娘が「シャープペンシルが禁止されてる、お兄ちゃんが5年の時は良かったのに」と言ってきた。確かにそうだなぁと思って担任に事情を聞いてみると、一部落ち着かない子たちがいてシャーペンを解禁すると授業中カチカチ言わせ続けるのでいまは全面的にダメと伝えてます、とのお返事。(これについても色々と異論が出したくなるところではありますが、本題ではないので今日はスルーします)

一見、理不尽なことのようにも見えますが、先生には先生なりの理由があってそうしてるのだなぁというのがお話を掘り下げて聞くとわかります。

 

小学校入学の時に、コップの袋や体操服の袋の紐の長さを細かく指定されたプリントを渡され「手作りしないといけないってことか!」と思わず手作り強要への拒否反応が出そうでしたが先生に詳細を尋ねると

「机の横のフックや体操服かけの高さから、床につかないような長さでお願いしています。掃除の時に引きずって危なかったり、床について不衛生だったりするので」

とここでも現場を知らないとわからない納得の理由が。

 

 

学校や園にに通わせていると子供が言ってきたことに対して大人の感覚として「え、それは先生がおかしなこと言ってるよね?」って思えることはたくさんあって、でもそれぞれを掘り下げて聞き取ってみると「へーなるほどな」ってなることは本当によくある。

 

Twitterでもいろんな「学校のこれ、おかしくない?」が流れてくるんだけど、それをみるたびにこんなエピソードを思い出しては「向こうには向こうの事情もあるかもだなぁ」と思ったりしています。

 

そしてお互いに

「もうちょっと説明したり」

「もうちょっと聞き取ったり」

の余裕があったらすれ違いがちょっと減ったりするのかな〜と思ったりするのです。

 

学校の先生が説明のプリントに

「机の移動の際に安全な長さです」

と書き添えてもらってたら印象は多分随分違う。

 

図書だよりに

「1年生は借りる練習のために選ぶ本をいまは少なめに絞っています」

って説明があったらまた多分ちょっと違うかな(読む読まないはあるだろうけど)

 

んで保護者の側も黙って憤ったり、いきなりクレームを入れるんじゃなくて

「そういう話を小耳に挟んだけど先生なんか事情あるの?」

って聞くステップがあるとなるほどねって話せたりする。

 

まぁ、お互いに余裕と会話ができるだけの人間関係がないと無理じゃない、とかそういう話ではあるんだけども。

スポンサードリンク