スズコ、考える。

ぼちぼち働く4児のははです。

料理研究家 有賀さんの「新時代のごはん装置『ミングル』」という面白そうなことから考えたアレコレ。


昨夜、TwitterのTLにこんな記事が流れてきました。

新時代のごはん装置「ミングル」を自宅に作ってみた話|有賀 薫|note

 

おそらくこれからの10年、家庭料理はもっと変化し、簡略化していくだろうと思うのです。時代の流れに、逆らうことはできません。
でも一方で、日々の食の豊かさは人生の豊かさに直結する。スープの仕事を通じて、これもまた真実だと感じています。 

この相反するふたつのことがらをどうするかという課題にこたえるために、家での食事をよりコンパクトにする、新しい形のごはん装置を考えました。そして、自分の家を実験台に、プロトタイプを作ってみました。

リンク先でそのプロトタイプ「ミングル」の画像を見ることができます。

ミングルの由来は

やれる人がやる。やりたい人がやる。
みんなで、ぐるぐる料理する。
だから、ミングル。
 

 

面白い。

 

ぐるぐる、というオノマトペが表すように、通常のキッチンのような一方向からのアクセスではなく、四方から手を出せる作りになっています。

調理台兼テーブルの下には食洗機が作りつけられていて、洗う・作る・食べる・片付ける、が全部この小さな空間の中でできる、そして一人ではなく誰かと一緒にできる、とても面白い発想だなぁと思って私の脳は昨夜からこのミングル構想の虜になっています。

文字通りぐるぐる、ずっとこのミングルの発想をどうにかして我が家に取り込んでやりたいと思って考え続けているのです。

 

有賀さんの発想やそのコンセプトをそのまま真似したいのではありません。

このミングルの構想を拝読して私の脳が耕された理由、それは「キッチンを自分たちのいまの形に合わせてコンパクトに組み直す」という部分。

 

文中にある有賀さんの最初のコンセプトメモがこちらです。

 

現代の家族が暮らしの中でかかえる問題解決のための実験的なキッチン

【現状と課題】少人数家庭が増え、男・女・子供、みんなが多忙になっている現代において、複雑に進化しすぎて尺に合わなくなっている料理をどう簡便にし、なおかつ暮らしの質を落とさないようにするか。

【解決方法と目標】現在は主婦(または主夫)ひとりに偏っている料理を夫や子供など家族内メンバーが少しずつ分担し、みんなが参加することによって(キャンプやバーベキューなどのときに作業をともにすることで仲間意識が強まるように)日々の暮らしの中でもコミュニケーションを楽しく深めることができ、それに伴って主婦の負担も自然に減らせるようにする。

【キッチンとしての課題】ただ、現在の家庭のキッチンやそこからくる台所仕事は大きく複雑になり過ぎて、他のメンバーがそこに立ち入るようなフラットさ・敷居の低さがない。キッチンや料理をより簡素化することで、家庭内のみんなが一緒に、あるいは自発的に作業できるような家庭料理と食のスタイルを提案したい。

 

バーベキュー!

そう、我が家はわりと頻繁にガレージでバーベキューをするのですが、回を重ねるごとに洗練されているのを感じるのですね。

最初の頃は後片付けが本当に億劫で、ヨレヨレのままとりあえず生ものだけ片付けてあとは翌日に持ち越して…なんてことも。

道具の配置やどんな道具をどう使うか試行錯誤したり、ガレージに中古の小さな冷蔵庫を置いたりと工夫を重ね、今では食べ終わる頃には網と炭の処理くらいしか残らない状態になるまでミニマルにバーベキューを楽しめるようになってきています。

 

そして家族がそれぞれに動きながらスムーズに食事を楽しむ。

 

誰か一人がキッチンにこもって作って、それから食べる、じゃなくて、家族全員の生活の中にご飯を作ることや食べることがもっと自然に入ってくる感じ。

 

そうか、あの空間をキッチンにも導入することでもっと毎日のご飯が楽に!楽しく!なるはずだ!!!

 

と脳内で打ち上げ花火がいくつも上がったのが昨夜。

 

そこから、我が家の狭いキッチンをどう組み直せば我が家らしい「ミングル」が仕上がるだろうか、とずっと考え続けています。

 

有賀さんがもともとお考えになった構想とはかけ離れていってしまっているかもしれないのですが、あの発想は私にとっては「こうしたらどうだろう」という答えの提示というよりは、「こんなこともできるよ、あなたの家族にはどんな形がいいと思う?」っていうとてもワクワクする提案のように聞こえたのです。

 

この、既存の、一般的なあり方を自分の、また家族のあり方に沿うものに作り変えていくという発想は、発達障害のある子どもや特性のある自分たちの暮らしや学校生活の中ですでに馴染んでいるものではありました。

 

みんなと同じ方法で宿題をやるのがしんどい次男は、彼なりにどう対処していくかを私と一緒に考え、先生に協力をお願いしています。

 

また、家の中の収納もどうしても散らかってしまう部分をどうするか、どこに収納を作ると物が片付きやすいか、どの道具を使うとやりやすいか…

 

トライアル&エラーを繰り返しては、家の中をどんどん変えてきた私が、なぜキッチンのこれに気づかなかったのか!!!すごいことに出会ってしまった!!!

という状態なのです。

 

私(または夫)が主に調理をして、それを子どもたちが運ぶ、というスタイルが続いてきた我が家ですが、上の子たちが自分たちのペースで料理をすることも増えてきました。

子どもと一緒にキッチンに立つことも多いけど、やっぱり狭いし子どもが邪魔になってイラッとすることもないわけではなく…

 

ミングルの構想を取り入れて我が家なりのやり易い形を見つけることで、子どもと一緒に料理をしたり、子どもたちが自主的に料理や食事を楽しんだりする空間が作れたらなぁ…

 

有賀さんのミングルは水周りまで改修した規模の大きめものなので簡単には導入できないかもしれないんだけれど、食卓にホットプレートやIHヒーターを置いてそこで調理してその流れで食べる、という形を取り入れてみるだけでも全然視点が違ってくるかも。

 

こうあらねば、みたいな自分の中に染み付いたものをガタッと変えるきっかけに出会えた。

脳みそが耕されてとってもワクワクしながら、さてどんなことをやってやろうか、と企んでいるところなのです。

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