前回、次男の家庭内のトラブルを防ぐための手立てとして認知特性の傾向を参考にした話を書きました。
この、認知特性テストのことを別の形で利用した話を今日は書こうと思います。
我が家には今、高校受験を控えた長男がいます。
もともとあまり勉強そのものを好まず、また部活に打ち込んできた彼。
部活を引退したいま、やっと本腰を入れて受験について考え始めている、かなりのスロースタートな状態です。
さて、今までテスト勉強らしいこともしてこなかった彼にとって最初の課題が
「どうやって勉強したらいいのか」
だったのには、さすがに親の私もビックリしました。
確かに宿題以外の勉強をしている様子もなかったので仕方ありません。
というわけで、どうやって勉強したらいいかのヒントを得るために認知特性テストを利用することにしました。
前回は次男の視覚優位な部分を会話に活かす形で利用しましたが、今回は記憶の仕方に利用します。
参考にしたのはこのムックです。
古いものなのですが、今はこちらの方が新しいのかもしれません。
目次の中に認知特性テストとそれをもとにした勉強法について触れられているようです。
認知特性テストをしたところ、視覚の3Dタイプが高いらしい結果が出た長男。
彼が記憶しやすいような、概念を映像で取り込んだり、映像をイメージしやすいような絵入りの参考書を活用するような勉強法を勧めました。
ちなみに次男はカメラアイタイプも合わせて高いため、これに加えて絵や地図などパッと目で見て理解しやすいような教材を活用すると覚えやすいようです。
ポスター学習も視覚優位の彼らには向いている学習法だと思います。
うちも、年齢ごとにトイレにいろいろと貼っています。
彼らにとって反復練習はあまり意味が無いのではということもテストの結果から推測できます。
二人とも漢字の書き取りは昔から大嫌いでした、次男は特に!
「こんなことやっても意味がない!」
とよく言っていたなぁと思い出します。
一度で覚えているのだから何回も書く意味がわからない、とよく言っていました。
それもそのはずです。
この、文字を反復して書くことで覚えやすくなるのは彼ら視覚優位のタイプではなく、言語優位のタイプ、その中でも文字にして覚えるのが得意な「言語抽象タイプ(辞書タイプ)」の人なのだそうです。
私はこの特性がかなり強めです。漢字の書き取りは全然苦にならなかった記憶がありますし、学生時代もテストのために文字をびっしり配して整理したノートを作って覚えていました。
ちなみに余談ですが、学校の先生を生業にしている方はこの、辞書タイプの方が比較的多いのではないか、と聞いたことがあります。
学校の先生が漢字の書き取りによる反復練習には効果がある、というのはそのためだと。自分にとっては効果の高い方法だから学校の宿題として取り入れられやすいのではないか、と聞き、なるほどと目からウロコがボロボロ落ちました。
聴覚の優位性が高い方はラジオを聴くなど耳から情報を入れる学習法が良いとされています。
詳しいことはムックの中に詳しく書かれていますので、気になる方は是非参考になさってみてください。
記憶の仕方は本当に人それぞれ違うんだな、と改めて思います。
こんなにいろんな違いがあるのに、一律同じ勉強法を押し付けられる形になる学校という場所は彼らにとってもいろんないづらさがあるところなのかもしれません。
夢のような妄想ではあるのですが、こんな認知特性についてのテストが小学校や中学の入学段階で行われ、先生がそれぞれの子たちの特性に合わせた指導を取り入れてくれたり、特性に合わせた学習法を勧めてくれたりしたら、と思ったりしています。
いつかそんな未来がくるでしょうか。
指示の出し方ひとつをとって見ても、視覚優位の子たちにとっては目からわかりやすい情報が入ってくれば取り入れやすく、言語優位の子たちにとっては文字で完結に書かれていたら理解しやすく、聴覚優位の子たちにとっては音声の指示が取り入れやすい。
方法として全然違うのに、学校や家庭の中で、先生や親のやりやすい形、自分がわかりやすい形に固定してしまってないか。
余談ですが、これらムックの内容全てに私が賛同しているわけでも、全面的に肯定しているわけでもありません。
あくまでも傾向を探るためのツールとして取り入れやすいと考えているに過ぎません。
脳科学の分野はトンデモにつながりやすい微妙なものもたくさん出ています。どれが正解でどれは怪しいのか、私も全て把握しているわけではありません。
ただ、この認知特性テストに関しては、自分のざっくりとして傾向が探れること、またそこから対人関係や勉強法に活かす指標にしやすいと思い、生活の中に取り入れています。
親子でも全然特性が違うこともあります。
自分がやりやすかったからといって我が子がそうとは限らない、テストの結果は私に如実にそれを突きつけてくれました。
自分にあった勉強法で長男が無事志望校に合格できるよう、これからいよいよ本格的な受験シーズンを家族で迎えます。