スズコ、考える。

ぼちぼち働く4児のははです。

スパイスでカレーを作りながら考えた、自分のためだけのご馳走を用意するということ。


ここ何回か次男のことから考えた話題が多かったのですが、今回は私のこと。

 

たまにツイートをしていますが、最近、スパイスからカレーを作っています。

発端は多分、有賀先生の発案に影響を受けて我が家のキッチン周りを模様替えしたこと。

 


キッチン周りが使いやすくなって以来、ツイッターではリュウジ(@ore825)さんや作りおき食堂まりえ(@mariegohan)さん、山本ゆり(@syunkon0507)さんあたりの簡単料理アカウントを、Youtubeでは【かっちゃんねる】や【こっタソの自由気ままに】あたりの料理チャンネルをマメにチェックして着々とレパートリーを増やしております。

 


みんな大好き!あの人気メニュー サイゼリヤ風 辛味チキンの作り方【kattyanneru】

この辛味チキン何度作ったか…

かっちゃんねるの再現レシピはマジ神…(語彙力)

 

いろんなレパートリーが増える中で、チンするだけの簡単メニューはレンジに任せている間丸々手も頭も使わずに済むのが本当に助かっています。

コンロにかけていると焦げたり吹きこぼれたりを気にしなくてはいけませんが、電子レンジだとそれもなく。

レンジに入れていること自体まるっきり忘れてしまっていても(よくあります…)時間がきたらピピーっと教えてくれます…!すごく助かる!

 

その間に別の家事をやったりすることも多いのですが、レンジに家族の主菜を任せてコンロでは副菜作りや自分のためにちょちょっと酒の肴を作って晩酌を…なんて楽しみも始めたりしていました。

 

ラジオで初めて印度カリー子さんのことを知ったのはその頃。

ゲストとしてお話をされている中で基本のチキンカレーの作り方が紹介されていたのですが、これが驚くほど簡単。

 

東大院生のスパイス料理研究家・印度カリー子さんに3種類のスパイスだけで作る「スパイスカレー」を教わった - メシ通 | ホットペッパーグルメ

 

こちらにカリー子さんのスパイス解説や基本のチキンカレーのレシピが載ってます。

ひとりぶんのスパイスカレー

ひとりぶんのスパイスカレー

 

 

以前からスパイスカレーに興味はあったものの調味料を揃えるの大変そうだなぁとなかなか手を出せずにいました。

 

そして手を出せずにいた大きな理由がもうひとつ。

「食べたいのが私だけ」

 

そう、結婚して子どもたちが生まれて、ずっと私の料理は「家族のため」でした。

 

家族が喜んで食べること、栄養やその日の体調、家計…

さて今日は何を作ろうかと考えたときに浮かぶのはそんな項目。

 

毎度毎度自分を押し殺して家族のためにご飯を作るなんて殊勝なことをしてきたわけでは決してありません。

制約の中で私の好きなものや食べたいものはそれなりに作ってきましたし、疲れたときには盛大な手抜きも躊躇せずやってきました。

 

それでも「私しか食べないもの」をわざわざ作るのは時間的にも精神的にもなかなかハードルが高く、手を出そうとも思わないまま毎日が過ぎている感じでした。

 

どうしても印度カリー子さんのレシピで作ってみたくて、ふと思ったんですね。

「家族の分はレンジに作ってもらえばいいじゃない」

 

というわけで子どもたちの分は

まりえさんのキーマカレーを仕込んでレンジにお願いしまして。

その間に私は自分のためだけにせっせとスパイスカレーを作りました。

 

レンジにお願いしたキーマカレーを食べる子どもたちを眺めながら、すぐそばのコンロではスパイスカレーが煮込まれるいい匂いがしています。

 

自分のためだけのカレーは、ちょっと辛め。

甘めに作ったカレーに自分だけ上乗せでスパイスをかけるのよりずっと、美味しい。

お店の味さながらに出来上がった私のためだけのチキンカレーは本当に本当に美味しくて、何回かに分けて大事に食べました。

 

そのカレーを食べながら、自分のためだけに料理をするって贅沢だなぁと思うと同時に、家族のため誰かのための献立を考え作り続けることはじわじわと自分の自尊心のようなものを削り続ける日々でもあったんだなぁと思い返したりするのです。

 

そんなことをいうと叱られるかもしれません。

家族が聞いたら悲しいかもしれない。

 

でも、「みんなが食べられるもの」を作り続けるということを通して自分がじわりじわりと自分の食べたいものを押し殺してきたんだなぁと、それを、なんとなく言葉にして整理しておきたくなったのです。

 

家族がみんなで同じものを食べるのも、そういう形の幸せや楽しさがある。

でも6人いる我が家の家族は、好みも食べる量も食べられるものも、それぞれ全く異なっています。

大きくなっていくにつれ余計に、それぞれの食へのスタンスは多様になりつつある。

そんななかで、みんなが同じ時間に同じものを食べること「だけ」が当たり前の食事ではないということを考えるターンにきているのかもしれない、と思うのです。

 

我が家版ミングルの登場により、我が家の食事の風景は大きく変わりました。

それまで私がキッチンにこもってご飯を作り、できたよーと呼ぶと子どもたちがそれぞれ配膳の手伝いに来て、箸を出しコップを出し、全員揃っていただきます、でした。

 

今は、私がキッチンであれこれ用意しているとテーブルにふらっとやってくる子もいればこない子もいます。

私が何品か作っている間に、最初にできたものをおかずにササッと食べてまた自室に戻っていく子もいれば、最初から最後まで座ってコンロの前の私と喋りながらゆっくり食事をする子、ある程度で揃ったところでワンプレートに取り分けてテレビの前に座って食べる子…

一人の子が毎日同じ様子というわけではなくて、それぞれが日によっていろんなスタンスで食べている感じです。

 

その食事の取り方の変容と並行して、献立も変わりつつあるようです。

以前は「みんなが食べられるもの」がメインだったのですが、最近はそれぞれが好むものだけでなく、家族の中のだれかが嫌いで絶対に食べない(でも他の家族は好きなもの)も作りやすくなってきました。

 

食べることが大好きな三男は毎日の夕ご飯の献立や出てくる順番を確認して、自分の食べたいおかずのところでテーブルにつくよう自分のスケジュールを調整しているようです。(栄養のバランスとかは1食単位では考えてないし、そもそもかなり適当です)

 

我が家の食事風景の変容に伴って、私もこれまで何となく我慢する形になっていた「自分のためだけのご馳走を用意する」ということが楽にできるようになってきました。

 

「自分以外の家族が食べないもの」を「自分のためだけに作る」

そのとても贅沢でワクワクする時間、これまであまり意識してこなかったけれど、私にとっては必要な精神安定のための材料だったんだろうなぁと思います。

 

なんかとりとめもないけれど、今日はこのくらいで。

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