スズコ、考える。

ぼちぼち働く4児のははです。

休校が続く中、お子さんの学習で焦りを感じているお母さん、お父さんへ。


相変わらず「書く気持ち」が高まれば書けるしそうじゃなければ書けない、そんな自分を目の当たりにしておりますスズコです。

 

さて、今日は休校延長が決まった学校も多い中で「自宅での学習への取り組み」のお話を。

 

「学び」と向き合う保護者の方へ、という村中先生の記事

Twitterでフォローさせていただいている村中先生がこんな記事を書かれていました。

inthevillege.com

まず一番最初にお伝えしたいことは、教える人つまり「教師役」や「先生役」を引き受ける必要はないということです。必要はないというよりも私個人の感覚としては「してはいけない」というほうが近いです。

教えるという行為がうまくいくためには、教える側のスキルと教わる側のスタンスの両方が揃っている必要があります。その両面から考えて保護者の方がその役割を担うことは不可能ではないですが非常に困難です。

(中略)

簡単にいうとケンカになっちゃうんですよね。

(中略)
つまり保護者の方とお子さんの関係性が悪化する要因にしかなならない場合が多い。

(中略)

だから「学校に行けないのだから私が教えなくちゃ!」と感じておられる場合、まずはそれはしないほうがいいというふうに考えてもらえると幸いです。

 

このあとにも参考になる自宅での学習への取り組み方や保護者が心がけることがたくさん書かれているので、ぜひご一読をお勧めします。

 

さて、私が書きたいのはそれとはまたちょっと違うお話です。

 

お母さんお父さん、焦っていませんか。

休校措置が始まってから1ヶ月と少し、春休みの期間が終わりを迎え、さらなる休校が続くことが決まった地域も多いと思います。

私の住んでいる地域は感染者が少ないということで登校が再開される見通しになっているのですが、状況によりいつどう変わるかわからない状況ではあります。

 

さて、私が今回書こうと思ったのは、親御さん焦りを感じていませんか?ということ。

 

まず、宿題。

たくさん出ましたよね。

うちの子たちもブスブス言いながら大量の課題に埋もれて過ごしていました。

 

第一段階として「宿題がスムーズに進まない」という問題を抱えていらっしゃるご家庭もあろうかと思います。

 

そして、ネット上にたくさん投稿されている「有意義なお休みの過ごし方」。

 

ドリルを何冊も頑張ってるお子さん、新しいことに取り組んで生き生きと過ごしている様子。

Twitterにも流れてくるし、インスタやFacebookになるともっとキラキラしたのが溢れてる。

 

あぁ、うちの子はこんなに何も進んでないのに、何もできてないのに、って焦ってしまっていませんか。

 

このブログでも何度も書いたことがあるエピソードなのですが、実は私は宿題に関して「お母さんの介入禁止」というドクターストップを医者から出された経験があります。

そんな私からの「焦らなくても大丈夫だよ」と言うお話をしたいと思います。

 

ドクターストップをくらったわたしの話

発達障害で児童精神科に通う次男の主治医からドクターストップが出たのは、次男が5年生のときだったと思います。

次男は3年生くらいから宿題が壊滅的にできなくなり、なんとかやらせようとする私と嫌がってパニクる次男との攻防が続いていました。

3年生から通い始めた通級指導教室の先生の手厚いサポートもあってなんとか宿題を少しずつできるようにはなったんですが、それでもとても全部は無理。

3〜4年の先生は出来る範囲でいいと見守ってくれていたのですが、5年から担任になった先生は「自宅学習の習慣がつかないと困るのは次男くんですから!」というスタンスで毎日自宅でやるよう促されるように。

 

主治医に相談したら「宿題は次男くんと担任の契約だから介入したらダメ」と言われ、通級の担任からは「宿題をやれないならやれないなりに担任と交渉をするスキルも身につけないといけないから、それも練習させて」と言われ、在籍級担任からは「とにかく自宅でやる習慣をつけさせて」と言われる。

 

板挟みで私の方が潰れてしまう…というところで主治医から「お母さんは介入禁止、自宅で無理に宿題をさせて二次障害が出たら取り返しがつかない」という判断でドクターストップがかかりました。

 

二次的な障害について説明を捕捉しておきます。

内在化障害
不安や気分の落ち込み、引きこもりなど自分に向けた情緒的問題として表れるのが内在化障害です。具体的には以下のような症状や行動の問題を指します。
 
 
特に抑うつ症状は、発達障害がある成人にもっとも多い二次障害といわれています。
 
外在化障害
精神的な葛藤などが他者に向けた行為として表現されるものです。反抗や暴力、家出、ときには非行などの反社会的な行動として現れることもあります。

発達障害の「二次障害」とは?発達障害のある人がうつや引きこもりになりやすい理由は?二次障害への対処法・予防法、支援機関なども紹介します | LITALICO仕事ナビ

 

これら二次的な障害にいたってしまうとそこからの回復はかなり厳しいものになると言われています。そこに至らないように、心が折れないように、ストレスをかけすぎないように、本人の状態を守っていくことが何より大事だと主治医からも言われています。

 

そこからは中学に入って今に至るまで「先生方には申し訳ないですがドクターストップがかかっていて私は介入できません」と細かく経緯を説明をした上で宿題への配慮をお願いしている状態です。

 

次男の今と、これから

そんな次男、中3になろうとする今に至るまで宿題は本当に家で全然してません。

私以外の外部のサポートを、と探し回って学習支援をしてくれる先生にやっと出会えたので、いまはその先生に個別指導をお願いしています。悪くいえば丸投げをしている状態です。足を向けては寝られません。

先生のおかげもあり、また学校の先生がたのご協力もあり、次男は二次的な障害を拗らせることなくなんとか過ごせています。

もちろん学力はそこまで高い状態ではないのでその心配はありますが「今の状態なら大丈夫」という主治医の言葉を信じて、自宅では穏やかに過ごすことを最優先にしています。

 

「二次的な障害に繋がらなければ大丈夫」

次男と私の極端な例を挙げましたが、主治医から一貫して言われているのは「二次的な障害に繋がらなければ大丈夫だから」という言葉です。

これは、発達障害を持つ子を育てる先輩お母さん達からも何度も言われたことがある言葉でもあります。

 

それは逆に、そこに至りさえしなければどうにでもなるから大丈夫、というメッセージでもあると思うのです。

 

周りと同じペースであることは必ずしも大事なことではないんですね。

宿題の量が同じにできなくても、同じペースで進められなくても、本人なりの頑張りで少しずつでも進んでいっているはずなんです。どんなにできないように見える子でも、その子なりのペースで少しずつ前には必ず進んでいるんですね。

 

うちの長男は小4の1年間、荒れに荒れて学校にあまり通えず、その間の履修すべきところが抜けている部分がかなりあるんですが、それでも彼なりに努力した結果、この春、晴れて希望した高校に進むことができました。

 

次男も小3小4の2年間にかなりの抜けがある中で、学年で中程度の成績を維持している状態です。

少しくらいの抜けがあってもメンタルが折れなければどうにでもなるんだ、とやっと私も思えるようになってきました。

 

エンパワーメント、という視点

なんでうちはうまくいかないんだろう、なんでうちの子はできないんだろう

そう思って苦しいことがありませんか?

私はこれまで何度もありました、いまも時々それに襲われます。

 

そのときに意識するように気をつけていることがあります。

「エンパワーメント」という視点です。

アレントメンターの講習を受講したときに出会った概念です。

 

能力や権限は訓練や指導によって後から付加されるものではなく本人が本来もっているもので、それが社会的制約によって発揮されていなかった。本人が力を発揮できるようにするためには、あらゆる社会資源を再検討し、条件整備を行なっていく必要があるという見方である。これは、自立生活運動、セルフヘルプ・グループの活動、ストレングスモデル(本人の資源として健康や強さの側面を見るという考え方)等にもつながっている。

エンパワメント/エンパワーメント

 

講師の先生が繰り返し「本人の中に力があるのだ」と仰っていました。

 

無いものを生み出してやるのではなくて、本人の中にそもそも力があると信じること。

そして、その力を本人が出そうという気持ちになるまで見守り寄り添い、そして力を出し始めたことを我がことのように喜び、一緒に歩くこと。

 

講習の中で私はエンパワメントとはそういうものだと学びました。

 

私が受けた講習は主に障害児を持つ保護者の支援のためのものでしたが、この概念は子育てにもとても役立つものだと感じています。

 

つい、子供の事を「できないことがたくさんある無力な存在である」と思い、そして「大人が教えさとし、導かねばならない」と思ってしまいがちだなぁと思うのですね。

 

子どもとの間で衝突があるのはたいてい、大人の側にその意識が見え隠れしている時じゃないかなぁと思うのです。

 

でも、子どもたちの中にはそもそも、力があるんだろうと思うのです。

彼らなりのペースでその力はじわじわと育っていて、そして、いつか殻を破ってそれが出てくる。

 

みんなと同じペースで宿題が進んでいなかったら、ほかの兄弟がどんどん宿題を終わらせているのに1人だけできない子がいたら、宿題をせずに遊んでばかりのように見えたら、焦ると思います。

 

独自の学びを進めている子の話を見たら、実りあるお休みを過ごし充実しているように見えるエピソードを見たら、もっと焦ると思います。

 

でも、目の前のお子さんにはきっと、その子なりのペースがあります。

私もいつも焦ります。次男にもっといろんな事をさせないといけないような気持ちになることもあるし、このままじゃいけないような気がして揺れることもあります。

 

そんなときに、友人に話を聞いてもらうこともあるし、ときに厳しく叱咤されることもあります。

 

あぁ、私が信じてやらなくてどうするんだ、とその度に思うのです。

 

私が信じて、そして見守る、それしかできることはないんだなぁと思うのです。

 

おわりに

長くなりましたが、一番伝えたかったこと、それは

今はとにかく心の安定が最優先だと思ってていいと思うよ

ということです。

 

終わりが見えない休校は、大人もしんどいけど子どもたちだってとても辛い。

ダラダラしているように見えて、ゲームしかしてないように見えて、でもその子なりにストレスを感じていると思います。

いろんな不安が彼らにもきっとある。

 

親として焦るだろうし、もっともっとと思うかもしれない。

 

でも、圧をかけすぎて親子関係が悪くなってしまったらなかなか取り返すのは大変です。

そして、心が折れてしまったらリカバリーするのはもっと大変。

子供が家で勉強が進まないのはあなたのせいじゃないよ、なんか色々あるんだけど、でもどうしようもないことだから。

 

 

焦る気持ちは私も同じ。

溢れて辛くなったらTwitterでいつでも話しかけてね、一緒に話そう。

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