スズコ、考える。

ぼちぼち働く4児のははです。

こどもの「爪噛み」とストレスの関係。


職場でラジオがついてまして、余裕の有るときは作業中もその音声が耳に入ってきます。

今朝はNHK第一ラジオが流れていて、今日はダイヤモンドユカイさんの日。

子育て相談のある日だな〜と思って聞いていたら、お悩みは小1の女の子の「爪噛み」のこと。回答者は発達心理学専門の大学教授、大日向雅美先生。

 

小3の長男、小1の長女、9か月の次女を育てています。小1の長女は、幼少時代から続く「爪かみ」が治りません。また、ささくれも剥いて、傷を深くしてしまいます……。さりげなく注意するようにしているのですが、なかなか改善しません。何がきっかけで、いつまで続くものなのでしょうか? 親として、どう対応していけば良いのでしょうか? 子育てにゆとりを持たなければ……と思いつつ、三人も育てる中、おおらかでいられる部分と、しっかり育てなきゃと思う焦りと不安が、日々入り混じっています。 

(参考:こそだてカフェ|すっぴん!|NHKラジオ第1

 

大日向先生の回答にはいつもなるほど思わされたり、安心させられたりするのですが、今日のは特にいろんな意味でとても参考になったのでここでご紹介したいと思います。

 

「爪噛みはある程度大きくなったお子さんに見られます」と、大日向先生。そして

「爪噛みの主な要因はストレス」という言葉。

 

ここで、お子さんの爪噛みで悩んだ事のある親御さんならまず、ドキッとするんじゃないかなと思います。

自分の育て方がまずいのかな、ストレスを与えてしまっているのかな、我慢させてるのかな…という自責の念。

そして、ママ自身に余裕がなかったら募るかもしれない不安、

「爪噛みしてるの(夫に・姑に・ママ友に・先生に…)見られたら母親失格、育て方が悪い、って思われちゃうんじゃないかな…」

 

その結果、子どもが爪噛みをしていることが親のストレスになって悪循環に陥ったり、躍起になって止めさせようとして子どもが余計にストレスを感じる結果になってしまったり…。

 

でも大日向先生はやさしく続けます。

「ストレスは、誰でも感じるもの。大人でも感じながら生きている。」

子どもたちもそのストレスを感じているだけ、そして、ある程度大きくなってから見られるのは自分の不快な感覚を「ストレス」だと認識出来るようになるまで成長して来ている表れ。でも子どもたちはその不快な感覚をどう解消すればいいか知らなくて模索してる状態。その模索する行動のひとつが爪噛みとして現れているから、違う行動で置き換えられるということを経験して学ぶことで自然と爪噛みは無くしていける、と。

 

先生が勧める対処法としては、

  • 爪噛みが見られたらそばに近寄って抱っこして、おしゃべりをしながらそっと手を口から離してやる
  • 「いま寂しいの?」など本人の心情を具体的に言葉にしてあげる

が挙げられていました。

 

これはストレスだ、と大人がわかることも、子どもたちにとっては何かよくわからないモヤモヤとした不快感の固まりでしかないのかもしれません。

 

私自身、かなり大きくなるまで爪を噛んでいた自覚があります。

ある程度大きくなってからは恥ずかしいことだと気づいたんだろうな、人目につかないときにやっていたような気がします。それをいつだと自覚はないけれど、美味しい物を食べるとか誰かと話すとかネットで吐き出すとか、そういうなにか違う行動に置き換えることで無くなっていったのかなと思うので、大日向先生が仰る代替する行動が見つかればやめていく、というのはとても納得が行きます。

 

自分がいつそれを「ストレス」というもので、そしてそれを自力で解消することができるものだと知ったのかはよくわからない、でもそれ、大人になってもいまいち分かってなかったような気もする。

 

それであれこれ模索して、ハーゲンダッツ食べるとか、いろんな方法を自分なりに見つけて来たんだろうな。それを、小さいうちに親子で一緒にやれば本人はもっと楽に生きられるよ、ということなんだろうな。

 

大日向先生は「爪噛み」という行動について

「悪い事と受け止めるのではなくて、そこになにか見直すところがあるよ、って教えてくれるものだと受け止めたらどうでしょう」

と仰っていました。

 

私も自分の子や周囲の子たちを色々と観察して思うのですが、子どもが起こす問題行動(という言葉は悪く受け止められがちなのであまり語感は好きではないのですが)の多くは、親や周囲の大人たちに対するサインであることが多いです。

 

「ここに、何か問題が有るよ」と子どもたちが教えてくれている、気づかせてくれるチャンスがそこにある。

 

そのチャンスを、悪い行動だから改めねばならない、というスタンスではなくて、どこを見直していったら子どもたちの感じている問題点が解消されるか、という視点で接していくことで、子どもにとっても周りの大人にとっても、お互いに良い方向を見つけていけるんじゃないかな、と思います。

 

我が子の問題行動に直面した親は、自分を責め孤立しがちです。

でも、それでは子どものストレスの元は無くならず、どんどんお互い苦しくなっちゃう。

私が、恥ずかしいことだとわかっていたのに止められなかったように、爪噛みはやめなさいと言われてやめられるものじゃない。

 

ストレスを何で感じているのかを知って、そこを改善すること

ストレスを感じた時に爪を噛む以外の行動を自分で見つけられること

 

それを、小さなうちは自力では出来ないから、親が一緒にやってあげればいいのかな、と思います。

 

大日向先生が仰るように、ストレスを感じることそのものは大人になっても当たり前にあること。それ自体を否定しても、心は軽くならないのかなと思います。

 

ストレスを感じることそのものを否定してはいけない、と感じたのは、長男が教室に入れなくなった時にいろいろと話したときでした。

彼に

「教室に入りたくない、と思ってもいいんだよ。先生嫌い、って思っても、友達にあいつむかつく、って思ってもいいんだよ。それを、どういう行動に移すかの問題で、思うことは何も悪くない」

と言った時、きょとんとした顔で「そうなの?」と言う長男。

10歳の彼は、苛立ちを感じてしまうその感情そのものが「いけないもの」と思っていたのかもしれない、とその時気づき、気持ちを持つことと行動を起こすことの違いについて一緒に考えるきっかけになりました。

 

まず、ストレスの種を少しでも改善してあげることが、周りの大人にできること。

でも、ストレスと無縁で生きて行くことなんて出来ないから、感じた気持ちを、どういう行動で発散するのか、それを子ども自身が知ることも大事なことで、その、違う行動で解消していけることを知ることで爪噛みも含めた問題行動は落ち着いて行くのかなと思います。

 

 

「私の育て方が悪いんだ」

ではなくて

「何かを変えたらみんなが楽になる、そのヒントがそこにある」と考える。

 

「あの親の育て方が悪いんだ」

ではなくて

「どこをフォローしたらお互い気持ちよく過ごせるようになるかな」と考える。

 

 

問題のある言動が見られた子の周りの大人たちが、そういうスタンスでストレスの元になる何かを考えたり、改善のために出来ることをしたりできたら、もっと育て易くならないかな、と思いました。

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