子供の頃の言葉についてアンケートです。
— イシゲスズコ (@suminotiger) 2017年4月26日
「遊びに参加させて」という意味、何て言ってた?
その他はリプライで(できれば地方込みで!)。
良ければほか3つのかたもリプライで言葉と地域もお知らせくださるとうれしいです!
気づけばもう2ヶ月も放置しておりました、このアンケート。
ゴールデンウィークに集計してから今日まで、その集計用紙が行方不明になっておりましたがやっと見つけました。
さて前の記事は3年前。
いや〜途中経過とか言っておいて3年もほったらかしてました、我ながらひどい。
そこから今回は回答がさらに増えて、面白い結果になってます。
回答総数4371、個別にいただいたリプライは149でした。
ご協力ありがとうございます。
さて、地方ごとにまとめてみましたので北から。
北海道と東北地方
全体的なアンケート結果からもわかりますが、やはり「いれて」が多数派。
印象的なのは「かぜて」「かでて」が多いことと、一部にあるとお答えのあった「はめて」
「はめて」は全国でもここらへんだけでしか回答はありませんでした。
「かぜて」「かでて」の元になっている「かぜる」「かだる」は北海道や東北の方言で「仲間にはいる、参加する、賛成する、老後の面倒を見てもらう、加担する」の意味があるそうです。
関東甲信越中部あたり
東京周辺部は圧倒的に「いれて」文化のようです。
少し離れると「まぜて」がじわじわと見えてきます。
東北にあった「かてて」もチラッと姿を見せています。
近畿中国四国あたり
関西を中心に圧倒的な「よせて」文化のようです。
「まいて」は「まぜて」の変化したものでしょうか。
山口にチラッと見える「かたらして」が九州に近いことを思わせます。
九州地方
こちらは圧倒的に「かてて」文化です。
「かたる」と言う方言は九州では「仲間に入る・参加する」などの意味。
これ、気づいた方もいらっしゃると思いますが東北あたりで出てきた「かだる」とそっくり。これは前回の時にも出てきていたこと。
語源が同じなんでしょうか、とても興味深い。
ちなみに古語としての「かたる」を調べると、「語る」の他に「交わる」と言う意味も出てきます。
「交わる」というと前回の記事の時に出ていた「まぜて」の感じは「交ぜて」ではないかという指摘が思い出されます。
全国を見渡して
四択の集計結果と全国の地図を見渡して思うことは「いれて」が全国的に多いということ。
これは、あちこちで「いれて」文化が生まれた、というよりは、東京を中心とした「いれて」人口が日本中に移動して広まっている結果なのでは?と感じています。
それを裏付けるかも、と思ったのが、大阪の一番下にある「いれて」の回答。
これ、実は大阪の北摂にお住いの方の回答なのです。
私自身その辺に住んでいたことがあるのですが、大阪の北摂地域(大阪府の北のほう)は土着の方よりも関東や他の地域からの転勤族や移住してきた方が多くお住いです。
方言も関西弁ではあるけど南の方よりもマイルドなイメージ。
その北摂の方が「いれて」と言ってるよとお返事をくださっていたこと、また、大人は「〜〜」って言ってるけど子供たちは「いれて」って言ってます、というメンションみあったこと。
その辺りから、鹿児島や四国、東北や北海道でも見られる「いれて」は古い文化というよりは近年広まっていった文化の可能性が高そう。
おわりに
さて、前回の記事で話題にしていた「まぜる」の話。
これ、改めて色々調べてみると「交ぜる」の漢字をあてる方が妥当な気がしてきました。
「交ぜる」は一緒にした後にそれぞれが見分けられる状態
「混ぜる」は一緒にした後には元のものの区別がつかなくなる状態
たくさんの言葉の違いはあるものの、「一緒になった後でそれぞれの区別がつく状態」を示している意味を持つ言葉であるという共通点はあるんですね。
・「交ぜて」という漢字ではないかという考察
・遠く離れた北と南にそれぞれ残っている「かてて」「かぜて」
・「いれて」文化の広がり
改めてアンケートをとってみたらいろんなことが見えてきて、とても面白かったです。
もう数年経ってまたアンケートをとったら、「いれて」はもっともっと増えているのかしら。方言が減っていくのはちょっと寂しいけど。
たくさんの皆さんのご協力ありがとうございました〜
また思いつきでアンケートをとった時はぜひおつきあいくださいませね。