今年の夏は広島に行って。
向こうの友人たちが集まってくれて一緒にアットホームなレストハウスに宿泊。
そこのご主人やおばあちゃま、お子さんたちとも短い間だったけれど触れ合う時間あって。
帰ってきてから、もう広島が懐かしい。
広い畳の部屋いっぱいに真っ白の布団をしきつめて子供達が遊んだり眠ったりしていたあのレストハウスが懐かしい。
友人とおしゃべりした夜が、一緒に歩いた街が、もう懐かしい。
毎年どこかしら、家族でちょっとした旅をするのだけれど、その度に帰った後にそこが懐かしくなる。
大分県と宮崎県の境にある小さな島に行った時にも、船でこちらに渡ってきた夜にはもう島が懐かしくなっていた不思議な感覚。
この間全国区のテレビ番組でその島が取り上げられていて、船着場でおしゃべりをした最年長のおばあちゃんやお世話してくれたお兄さんたちがうつっていて。
次男が「次来る時まで生きててね!」と声をかけたおばあちゃんは今も元気で、当時はいい感じの雰囲気だったお兄さんとお手伝いのお姉さんは結婚して子供まで生まれていて!
あぁまた行きたい、会いに行きたい、と思う。
広島も、島も、たった1日か2日そこにいただけなのに。
そうかこれが私にとって旅をするということなのかもしれない、と思う。
観光地を巡ることも、史跡で学んだり行楽をしたりすることも、もちろん一つの目的。
でも、そこで人に接すること、自分が居た場所が懐かしい場所になること。
それが私にとって、旅の醍醐味なのかもしれないなぁと。
これまで行ってきた色々な場所を時々思い返す。
蒸し暑かったホーチミンの街にあったあのホテルはまだあるだろうか。
ただの宿泊客だった私がなぜか従業員の退職パーティーに誘われて一緒にカラオケをしたあの不思議な夜。
あちこちでの思い出と出会った人たち、あちこちにある、なんとなく故郷っぽい場所。
死ぬまでにそんな場所が、いくつ増えるかしら。