スズコ、考える。

ぼちぼち働く4児のははです。

次男(が)行方不明(になってしまったと私が思った)事件を振り返る。


ぽかっと1時間ほど時間ができたので、なんかブログでも書こうかなと思い立ちました。

 

突然ですが先日、次男が行方不明になりました。

いや、正確には「私は行方不明になったと思った」です。

忘れてしまうのもなんなので、備忘録として書いておこうと思います。

 

次男が、忽然と姿を消しました。

学校が休みの日、彼がひとりで某所へ行く予定でした。

私は朝、予定より少し早い時間に彼を送り出し、当然そこへ向かったものだと思っていました。

が、帰る予定の昼になっても彼は戻ってきません。

おかしいと思いつつ、もう中学生の彼を慌てて探すのも…と思いました。

もう彼から手を離していこうというブログを書いたばっかりじゃないか、と思っていました。

お腹が空いたら帰ってくるだろう、そのうち戻ってくるだろう…

 

そんなことを思いながらお昼ご飯の片付けをしていたら、次男の友人が我が家を尋ねてきました。

午後から遊ぼうと待ち合わせをしていたのにそこに来ない、と。

 

約束をしてたのにすっぽかすなんて!とまたイラっとしました。

お友達には「じき戻るだろうからちょっと待ってて」と家で待つように伝えたのですが、彼が怪訝そうな顔をして言うのです。

 

「途中で(次男)くんの自転車を見たんです」

 

彼が自転車を見たと言うのは、午前中に次男が行く予定だった場所でした。

 

平静を装いつつ、何かがおかしいと頭の中がぐるぐる回りました。

彼が訪ねるはずだった相手先に連絡をすると「次男くん?それが来てないんだよね、自転車はあるから近くにいるのかと思ったんだけど見当たらないの」との返事。

 

何かがおかしい!

とりあえず、自転車を確認しに行きました。

あります、鍵をかけた状態で次男の自転車が置いてあります。

でも彼は見当たりません。

 

頭の中をいろんな可能性がよぎりました。

対人トラブル、事故、犯罪…

 

車で周辺を周りました。

夫に連絡して「これは警察に連絡したほうがいいんだろうか」と確認しました。

「とりあえず夕方まで帰らなかったらそうしよう」と彼は答えました。

なんて悠長なことを!次男はもうすでに何かに巻き込まれているかもしれないのに!

と腹の中で思いながら、いや冷静であれと言うもう一人の自分がいました。

 

「次男くん帰って来たよ」

車でウロウロする私の電話がなり、家にいる家族からそう知らされました。

とりあえず安全が確認できたのだとわかって、ハンドルを握る手から力がガクッと抜けそうになったのを覚えています。

 

結論からいうと、彼は訪ねる予定のところについたけれど予定より少し早かったので散策をしようと思い立ってうろついているうちに道に迷ってかなり遠くまで行ってしまっていたそうです。

ひと気のない山の方まで入ってしまい、たまたま出会った地元の方に事情を話して公共の交通機関を教えてもらい、なんとかそれで帰り着いたところだったと。

 

私が心配して探し回っていたことを知ると次男は、とても申し訳ないことをしたと悲しい顔をして言ってくれました。

 

私の中で顔を出した、不安

こうやって文字で書き起こすと「一件落着」感がものすごく出るのかもしれないのですが、当時の私にはそんな気持ちは全く起こりませんでした。

こんなことをしでかしてしまう彼に対してどうしたらいいんだろう…

行方不明状態の彼を探し回る中で私の中で顔を出した不安は、どんどん私の中で大きくなって私を支配しようとしていたような気がします。

 

明日も行ってらっしゃいと彼を送り出していいんだろうか、大丈夫だろうか…

どんな手を打てばいい?何を用意すればいい?彼にどう対応すればいい??

 

頭の中をそんな色々なことがマーブル状に混じり合ってぐるぐるぐるぐると回っている感じ。

 

マーブルの不安はだんだんドロドロと沼のような色になって、私の中を渦巻き、体の中全体に広がっていくような気がしました。

 

不安に囚われて見えなかった、次男の成果

ちょうどその頃、遊びに来ていた三男のお友達を迎えに、その子のママがやって来ました。

次男のこともよく知っている彼女に何気無く今日の出来事を話しました。

「もう、どうしたらいいんだか」と愚痴る私に彼女が笑って言いました。

「でも次男くん、自力で人頼ってバス乗って帰ってこれたんでしょ?初めてのところから。それすごくない?百点満点だよね」

 

漫画みたいに大きなハンマーで頭をガーンと殴られたような感じがしました。

これ、いつも自分が言ってることじゃないの!

 

「失敗は仕方ない、でもリカバリーできればいいんだよ。」

 

次男に自分がなんども何度も言って来たこと。

彼はそれをちゃんとやってのけていたのに、私は自分の不安に囚われてそれがちっとも見えなかったんだなぁと。

 

おわりに

次男に、とても心配だったこと、でもそれに囚われて君ががんばって帰ってきたことを褒めてあげられなかったことを詫びました。

気づかせてくれたお友達にも足を向けて寝られないわ…とおうちの方角を思わず調べたりもしました。

 

私の不安というのはなかなか根が深いもののようです。

その根の深い不安が、なぜ4人いる子のうち次男にだけより強く発動されてしまうのか、私にもよくわかりません。

 

ただ、今回のように自分の中で不安がどんどん大きくなる前に誰かに聞いてもらうってやっぱりすごく大事なんだろうなと思います。

Twitterで書くだけでも違うかもしれない。

不安モンスターは外に出さないと自分の中でどんどんどんどん大きく膨らんで私をすぐに支配してしまう。

 

苦しい時に「ちょっと聞いてよ」って言えるお友達がいること、改めてありがたいなぁと思っています。

 

おまけ

余談ですが…

今回次男がいなくなったことで自転車を置いたところの周囲の知り合い(彼が中学への登下校の時によく通るあたり)に「次男見てませんか」と声をかけさせていただきました。

そのいく先いく先で「あのしっかりした子よね」「いつも元気に挨拶して、声をかけてくれる優しい子ね」ととても肯定的な次男の評価をいただきました。

 

皆さんがとても彼のことをよく思ってくれていて、あの私が見ている「いろんなことができない次男」は、誰かにとってはそうじゃないんだな…と改めて自分が一部しか見えてないことに直面し、親としても人としてもまだまだだなと痛感するきっかけにもなったのでした…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スポンサードリンク