スズコ、考える。

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次男、高校で合理的配慮の提供を受けるまで① 〜入学前編〜


グーグルさんから「ブログの収益がかなり落ちてるよどうしたの!」ってメールが届いてブログを覗いたら1ヶ月以上更新してなかったことに気づいているスズコですこんにちは。

 

私の2月から3月上旬にかけては、不登校だった三男がじわじわと登校を始めたことの対応に追われながら、本丸は「次男くん初めての高校受験」に尽力する日々。

とてもブログなど書ける場合ではなかったんだなぁと振り返っております。

(ツイートはしてたけど)

 

さてさてそんな慌ただしく落ち着かない時期を経て、我が家の次男坊、無事第一志望の県立高校に合格いたしまして、春から高校生になれることが決まりました。

 

合格と同時に私には進学準備に加えてもうひとつの大仕事が。

受験の前からあちこちと少しずつ相談していた「高校での合理的配慮」について、いよいよ始動することになりました。

 

「合理的配慮とは何か」ということについては過去記事をご参照くださいませね。

suminotiger.hatenadiary.jp

 

個人情報の関係もあるし思春期の子供のことなので書けないことも出てくるかもしれませんが、後続の皆様にとって少しでも参考になればと思うので記憶が新しいうちに書けることを書き残していこうと思います。

 

今回は入学前編です。

 

高校での「合理的配慮」ってどんなもの?

まず大前提として高校における「合理的配慮」とはどういう話なのか、ということを確認しておきましょう。

高等学校における合理的配慮については、平成28年より施行されている障害者差別解消法 第七条「行政機関等における障害を理由とする差別の禁止」で定められています。

2 行政機関等は,その事務又は事業を行うに当たり,障害者から現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明があった場合において,その実施に伴う負担が過重でないときは,障害者の権利利益を侵害することとならないよう,当該障害者の性別,年齢及び障害の状態に応じて,社会的障壁の除去の実施について必要かつ合理的な配慮をしなければならない。

次男の進路である県立高校は「行政機関等」に当たるため、合理的配慮の提供は「法的義務」があることになります。(私立高校は商業等その他の事業を行う者に当たるため「努力義務」となり、強制力がやや緩和されています)

 

具体的には、定期考査を別室で受けたり、板書の撮影許可など、それぞれの生徒が抱える困難に応じて必要と思われる配慮を提供する義務がある、ということになります。

 

高等学校の合理的配慮の申請手順(大分県の場合)

次男の受験に当たって、どんな手順になっているのかをネットで検索してみました。

大分県では県教育委員会のサイトに合理的配慮のことが記載されています。

www.pref.oita.jp

リンク先のリーフレットに詳しく記載されていますが、大分県では高等学校の合理的配慮の提供についてマニュアルが定められているようです。

生徒が意思表示をし、申し込み書類を提出、その後学校が教委や中学などと相談しながら提供項目を選定し、提供するかどうか決定するような流れになっています。

さらに提供後は定期的な面談などを通して実施内容の確認や見直しの検討などが行われる仕組みになっているようです。

 

ここまでを読んだ段階で「中学よりはるかに制度が整っている…」とまず感じました。

中学校では「合理的配慮」という言葉を知っている先生の方が少ないくらい。

平成28年からの施行なので次男の中学入学時にはすでに現場に周知が進んでいてもおかしくなかったはずなのですが、なかなか話を通すのが難しかった記憶があります。

 

ただ、このマニュアルだけの内容だと「本人が申請した内容について学校が判断して返答する」と読めるため、上記過去記事で記したような合意形成プロセスに基づいた双方のやりとりが保証されていないのではないか、とちょっと不安に思っていました。

 

入学説明会で尋ねてみました

先日、入学説明会に参加してきてきました。

 

説明会の始まる前に受付にいた職員の方に

「合理的配慮の提供をお願いしたいと考えているのでご相談をしたいのですが、どうしたらいいですか?」

と尋ねたら

「終了後に事務室でお話伺いますからそちらへどうぞ」

とサラッとお返事がいただけました。

 

教職員に対する周知がある程度整っているのだろうな、という印象です。(中学だとここでキョトンという顔をされるのが予想できる程度の周知なので…)

 

説明会会場の指定された席には入学に際して必要な情報がぎっしり詰まった冊子や書類がたくさん。

入学式に提出しなければならないらしいたくさんの書類の束の中に「合理的配慮の提供について」という文書が入っていました。

 

その書面には、合理的配慮の説明とが書かれており、提供の希望や提供に向けての相談を希望する方は下部を切り取って必要事項を記載して入学式の日に提出を、と書かれていました。

 

(入学式に提出して間に合うのか…)

とその時は正直言って思いました。

中学でも入学前に小学校との連携があっていたし、入学前に対応について学校に出向いてお話をさせていただいていたので、入学式の文書提出からで果たして彼の高校生活は大丈夫なのか…!と一気に不安になりました。

 

入学説明会の中では様々な説明の中で合理的配慮について説明する時間が取られ、必要な方は書類の提出を、また詳しく話したい方はこのあと事務室へ、というお知らせがありました。

 

いざ、事務室

説明会を終え解散、次男と2人、広い校舎の中をどこを歩いていいのかわからずフラフラし、大きな高校生が教室の中にひしめいている光景に恐れおののき小さくなりながらなんとか事務室までたどり着きました。

 

事務室を覗いて「入学予定者ですが合理的配慮についてのご相談に伺いました」と伝えると担当の先生が出てきてくださり、別室へ通されました。

 

対応してくださったのは生徒のメンタル面をサポートする大元の先生で、ほかにスクールカウンセラーや特別支援コーディネーターなど複数の担当者がいらっしゃるとのことでした。

 

ご挨拶をしてから尋ねられたことに次男と私がそれぞれ答えていきます。

まだ中学からなんの引き継ぎもない状態なので高校サイドの情報はゼロの様子。

次男の診断名や特性の様子、小中で受けて来た支援の内容などをお話ししました。

 

「担当する先生方と共有しなければいけませんから」とゆっくり丁寧にメモをとってくださる様子に、右も左も分からないような状態の先生に対して話をして来た小中の頃とは違う安心感がありました。

 

お話を伺った内容を簡単にまとめると…

  • 合理的配慮の申請があった生徒について、校内でチーム対応する
  • 次男は通級に通った経験があるので診断書の提出は不要だと思われる
  • 発達検査も校内で実施可能(支援学校から派遣がある)
  • 発達検査の結果や聞き取りなどから本人に必要な配慮について面談を重ねて検討する
  • 1学期の間に検査や面談、会議を重ね、配慮を試してみて、本人に必要な支援を固めていく
  • 定期的に支援が生きているかの検討を重ねる
  • 本人とはスクールカウンセラーと特別支援コーディネーターがこまめに相談の機会を持って学校生活をサポートする

という感じでした。

在校生ですでに合理的配慮を受けている生徒さんもおられるようで、手順もしっかりと整っている様子でした。

 

とりあえずは今日のお話を教職員で共有した上で、入学式に書類を提出していただいてから改めて対応をしてくださる、というお話をして、学校を後にしました。

 

おわりに

学校とゆっくりお話ができて、とりあえずいまの段階でできることは一旦終了かなぁという感じです。

あとはこれから、本来の入学準備に取り掛かることになります。

書類の山と格闘せねば…

 

入学式に書類を提出した後の流れについては、また追って記録していこうと思います。

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