スズコ、考える。

ぼちぼち働く4児のははです。

次男、高校で合理的配慮の提供を受けるまで② 〜入学式編〜


こちらの記事を書いてから約1ヶ月が経ちました。

今回はこの続き、入学式の時のやりとりについてまとめたいと思います。

 

 

ドッキドキの1年生

入学説明会のときのことは前回詳しく書いたのですが、その際に「記入して入学式に提出するもの」とされた書類がそれはそれはたくさんありました。

小中でも提出するような家庭環境の調査票や各種検診の予備調査、保険関係のものに加え、授業料の納付や就学援助金、各種奨学金に関する書類など高校特有のものもちらほら。

そしてその中の一つとして「合理的配慮の提供に関して」という書面があり、提供の希望や提供に関する面談の申し入れを希望する方は必要事項を記入して提出を、と書かれていました。

 

次男に負けず劣らずの注意欠損のある私ですが、さすがに当日忘れ物をするわけにはいきません。

入学式のご案内、というプリントに丁寧に書かれたチェックリストと書類の束を何度も何度も確認しながら迎えた当日。

チェックリストの中に入っていなかった「4月1日から当日までの体温チェックシート」という今年度の入学式ならではの書類を自宅冷蔵庫に貼ったまま出かけてしまい、大慌てで取りに帰る騒動があったのは内緒の話です。

 

入学式からのHR

体育館に入る入学生の姿を眺めながら、この中で合理的配慮の申し入れをするのは次男一人なんだろうか…とふとよぎりました。

体格のいい高校生たちはみんな次男の何倍もしっかりしているように見えてしまいます。あぁ私、不安なんだな…と感じながら始まった入学式。

 

余談ですが私はこの入学式でかなり恐れおののきました。

多いんです、教員の数がとにかく多いんです。

各クラス担任(若い)1名と副担任(ベテラン1名と中堅1名)の3人体制。

そのほかにも様々な担当が存在しています。

前回の入学説明会の時に覗いた事務室には10近い机が並んでいました。

在籍生徒数に対する教職員の数が小中学校に比べて桁外れに多い印象を受け、どうしてこんな手厚い耐性が小中学校ではとれないんだろう…と悶々としてしまいました。

 

さて、コロナ禍らしい簡素な入学式を終え、教室へ向かいます。

 

教室では壁沿いに置かれた書類ケースに保護者が列になって書類を入れるよう促されました。

ズラっと並んだケースの一番最後が「合理的配慮の提供について」の用紙で、そこに紙を置いてから保護者席に着席。

担任からのお話やPTA役員決めのやりとりなどが行われ、全体のお話が終わろうかという頃に、副担任の先生から小さな声で「解散のあと事務室へ」と声をかけられました。

本人は先に帰っても良いとのことだったので次男を帰し、私だけ事務室へ向かいました。

 

担当の先生方との面談

事務室に声をかけると別室に通されました。

先日の入学説明会の時にお話を聞いてくださった支援担当の先生の他に、特別支援コーディネーター、生徒指導担当の3名の先生が対応してくださることになりました。

 

まずそれぞれの先生のご担当を説明してくださった上で「現段階でどんな不安があるか、どんなことを希望しているか」と求められ、それに沿ってお話をさせていただきました。

 

先日私がお話ししたことを丁寧にメモを取ってくださっており、どこまで共有して良いか、と尋ねられたので「本人に関わりのあるすべての方に共有してもらっても構いません」とお答えしました。

 

また

「先日のものはあくまでもメモ程度なので、お母さんの方から本人がこれまでに受けてきた支援や生活の中で起こった困りごとなどについてまとめてもらえたらそれを教職員で共有できますが用意できますか?」

と尋ねられました。

 

小中学校ではこちらから先に用意してもうまく共有していただけていなかったサポートシートの類ですが、先方から求めてもらえるのか!とじわっと感動してしまいました…

 

ここからの流れ

コーディネーターの先生が書類の束を見せてくださり「これからの流れです」と説明を。

束の1枚目は私たち保護者が記入する「次男の合理的配慮の提供を求めます」という申請書の雛形です。

 

2枚目以降は

中学へ次男に対する合理的配慮の実績について問い合わせる書面と中学からの回答書

支援学校へ巡回や助言の依頼をする書面

次男に対する合理的配慮の提案書、こちらからのお返事…

と学校間のやりとりに関する文書が続き、最後の1枚は「合理的配慮の再検討」についての書類。

学校に対しての要望のうち設備投資や人員配置など予算面で学校内での対応だけでは難しい案件について、県まで上申してさらなる対応を求めるための書面でした。

 

1枚ずつ一緒に見ながら、今後の流れを説明していただきました。

 

支援学校の巡回では本人の学校での様子を見ていただくだけでなく、必要に応じて発達検査もお願いできるようです。(これは前回の面談の時にも聞いていました)

次男は前回の検査から3年以上あいているため、現状を把握するために検査した方が良いかもしれないから支援学校の先生とも相談しよう、という話になりました。

 

印鑑を持ち合わせていたこともあり、書類の束の1枚目のこちらからの書面をその場で記入し提出。

先生から「これが出たので、ここから次男くんの合理的配慮の提供について学校内で対応していくことになります」とお話がありました。

 

具体的には、まず本人との面談、私からのサポートシートを参考にして校内での彼への対応を検討、在籍していた中学とのやりとり、支援学校からの巡回やスクールカウンセラーとの面談などを重ねながら、1学期の間に校内で彼に対して提供できる合理的配慮についてのリストアップしていきましょう、という感じです。

 

次男が作っていく、実績

話し合いの中で何度も何度も頭を下げる私に対して、支援担当の先生が「いや、とんでもない、お母さんがここまでしてくださって本当にありがたいんですよ」と仰いました。

 

合理的配慮の提供義務が県立高校に課せられてから5年経ちますが、現場での浸透はまだまだ。発達障害の子たちに対して「やればできるだろう」「甘やかさない方がいい」と理解してくれない先生もまだまだたくさんいらっしゃるそうです。

 

法律ができた以上、義務であることを現場にもっと周知してもらわねばならないけれど、なかなかそれは進まない。

次男以外にも対象生徒はいるものの、学校としてもまだ合理的配慮の提供は始まったばかりで、手探りでもあり、また実績も乏しく理解のない先生方への説得力も薄い状態。

 

保護者がこうやって持ちかけてくれて、実際に現場で支援を入れてそれが生きる形で本人が前向きに教育を受けられる場面をひとつずつ作る。

それを「ほらこんなに生きるでしょう」って現場の先生方に見せていける。

 

その実績を作るためには、こんな風に配慮の提供を申し入れてくれることがまず必要なんです。

 

と熱心に話してくださいました。

実績を作っていくためにも、私たち親子の協力が本当に必要だと考えているし、もちろん次男くんにとって少しでも良い高校生活になるように支えていきたいんですよ、とお話をしてくださり、何度も目に涙が浮かぶ面談となりました。

 

 

爆弾としての次男と、礎としての次男

定型発達のお子さんとは違う次男について、「きっと教室の中で爆弾のような存在だろうな」とつい親として思ってしまいます。

彼の言動が教室の中を混乱させたり、彼がいなければ平穏に回るような場面もきっと多くあるでしょう。

 

親としてついそれを心配して、先回りして防ぎたくなってしまう。

予想通り、登校初日に「何か大きなことがあったわけではないんですよ」と前おきをしつつ連絡をくれた担任の先生の言葉からは、彼の扱いについて苦慮する様子が感じられました。

 

あぁやっぱり…と予想以上のダメージを受けながら友人にそのことをチラッと漏らした友人から予想外の言葉をもらいました。

 

「次男くんを担当した経験は、その若い担任の先生にとって一生ものの力になるから」

 

あぁ、確かにあの手厚い体制の高校でなら彼に対して四苦八苦することはきっと先生の今後にとって大きな経験の一つになるだろうなぁ、と思ったりしました。私がお会いした先生方を含め、頼れる知識経験のある先生方も複数いらっしゃるでしょうから。

 

もちろん、余計な手をかけさせてしまうことになるから傲慢になっていいわけではないけれど「こちらが与えてもらうばっかりではないんじゃないかな」という友人の言葉で気持ちが少し軽くなったような気がしました。

 

教室の中でどう扱って良いかわかりづらい爆弾のような次男だけれど、合理的配慮の実績として、また先生方の中での経験として、礎としての彼が3年間通う中で学校に何かを残していくことにもなるんだろうなぁ、とぼんやり考えたりしています。

 

また何か動きがあったらまとめますね。今回はこの辺で。

スポンサードリンク