「夏休みの宿題が終わらない」問題を抱えるお子さんの保護者さんへ
こんにちは、もう夏休みが終わったご家庭も、最後の追い込みを迎えているご家庭もある時期でしょうか。
ギリギリに泣きながらやっても終わらない、そんな我が家の数年前の惨状をそこからの日々を思い返しておりますが、そんな次男くんももう高校生になりました。
今日は、そんな彼との軌跡の中で私たちが経験したこと、悔やんでいることなどをまとめてみたいと思います。
過去より「これから」、反省より「リカバリー」
ギリギリの段階でもう絶対終わらない、という宿題を前に、お子さんと途方に暮れていらっしゃる方もおられるかもしれません。
能天気なお子さんに苛立つ保護者さんもおられましょう。
「学校にいけない」とパニクっているお子さんへの対応に苦慮されているかもしれません。
過去を振り返って「あぁしとけばよかったのに」がたくさん浮かぶかもしれません。
でも、大事なのは「ここからどうするか」だということを、まず意識するといいと思います。
過去を整理して反省することも無意味ではないですが、最優先すべきはリカバリーの方だ、ということを押さえておくといい結果に繋げやすくなります。
終わらなくてもなんとかなる、は絶対ダメ
宿題を終わらせるのが苦手なお子さんの場合、その傾向は中高と長期的に残ることを覚悟する必要があります。
私の知る中で「小学校の頃はできなかったけど中高ではどうにかなった」というケースは皆無です。
ごく稀に本人のやりたいことと能力のリンクが成長と共に訪れて能力が突如開花したという話もないわけではないですが、そんな万に一つのような奇跡の事例が我が子に振ってくると思わない方が無難です。宝くじが当たるより確率が低いと思っていいと思います。
長期的な目で見たとき、宿題に関して一番やっちゃダメなのは「終わらなかったけどなんとかなった」という経験を積ませることです。
うちは次男くんが小中でこれを経験してしまったため、修正のために膨大な時間と経費(家庭教師の先生に丸投げせねばならなくなったので)を費やすことになりました。
宿題をきちんとやり終えられなくてもそれなりに二学期がスタートしてしまってなぁなぁで学校生活が送れてしまう、ということは十分あり得ます。
学校の先生もお忙しいのでそこまで丁寧に付き合ってもらえないのも仕方がないことで。
でも、この経験を何年も積んでしまうと本人にとって大きなリスクが残ります。
中学校では宿題の未提出は内申点に響きますし、高校では単位認定のための評点が削られることになります。
間に合わないときのリカバリー法
最後の日まで家で頑張ったけど無理だった、というときにそこからできることを考えましょう。
まず、何がどのくらい残っているのかを確認する必要があります。
お子さん自身気づかず放置してしまっていたものもあるかもしれないので、学校からリストが提示されていたらそれと照らしながらお子さんと確認すると良いと思います。
次に、その残っているそれぞれについて「どのくらいで終わるのか」をお子さんと話します。
この時の「どのくらい」というのは、学校がスタートしてからの生活を想定して考える必要があります。朝の登校前、休み時間や放課後、お休みの日、自分の生活と照らしながら、学校の勉強以外の時間で進めたときにどのくらいの時間がかかるのか、を試算します。
ここまで整理すると「いつまで延期してもらったら提出できるか」が見えてくると思います。
始業式に学校で先生に、自分からこの期限の延長を申し入れれば第一段階突破です。
「自分から」というのがとても大切だ、と経験上思っています。
無策の状態で先生に「やってこれなかったけどどうしたらいいですか」と聞いて指示をもらう、というケースも学校ではあるあるなんだろうなと思うけど、これが習慣づいてしまうのはリスクが高いです。
このスタンスだと「やる気がない」と見做されやすいんですね。
年齢が上がるごとにその傾向は強まると思います。
先生に指摘されてから、ではなく自分から申し入れることで「完了させたいという意思があるのだ」という表明になり、延長を受け入れてもらいやすくなります。
期限を守れそうにないときに自分から期限を決めて延長を申し入れる、というスキルを身につけておくことは大人になっても役に立つので、先延ばし癖のあるお子さんは年齢が低いうちから練習しておくと良いと思います。
また、自分から宣言することで「やらされる」感が薄れて、自分のためにやるもの、という自覚を持ちやすくなる(かもしれない)といううっすらとした期待も込めた方法ですね。
保護者としてのスタンス
全体を通した保護者としてのスタンスとしてまず大事なのは「宿題は子供自身に課された課題」という事実を意識することかな、と思います。
私自身、過去にこのブログでも書いてきたことがありますが、次男の宿題の完了にかなり熱心に介入した結果、本人との関係が悪化してしまい主治医からドクターストップをかけられた経緯があります。
「宿題はお家でやらせてください」と言う担任と、やれない次男との間で板挟みになって家で無理にやらせようと躍起になっていた私に
「宿題は子供と学校の先生の間の契約」
「親が介入してはいけない」
「お母さん、高校生になっても次男くんの宿題の面倒見るの?」
と諭してくれた主治医の言葉で目が覚めて、学校の先生に私の関与に関してドクターストップがかかったことを話しました。
以降、高校生になる今に至るまで、担任になる先生に経緯を詳しくお話しし、私はあくまでも環境を整えるためのサポートに徹しています。
宿題に取り組むのも本人。
間に合わない時の延長期限を決めるのも本人。
それを先生に申し入れるのも本人。
最後までやり遂げるのも本人の仕事です。
保護者はそれが叶う環境を整えるのがお仕事。
お家を勉強しやすい環境にしたり、ときに場所を移すことに付き合ったり。
(宿題が終わらない次男と気分転換で場所を変えるために図書館の学習室や夜中のマックなんかに行ったこともありました)
学校への期限延長の申し入れに関しては、始業式前に担任の先生に「頑張ったけど終われなかった、子供からこう言ってくると思うので対応をお願いします」と一報入れておく、と言うのも一つの手かもしれません。
終わらなかったことを責めない
最後に書きたいこと。
これ、私の最大の後悔です。
「だからもっと早くからやっとけばよかったのに!」
「もっと計画的にやれたんじゃないの」
「あんなにダラダラしてたのは自分でしょう!」
たくさん言ってしまったんですよね。
そして息子が高校生になった今、その言葉たちは彼を傷つけるだけで何の糧にもなってないことを痛感しています。
きっと本人が一番わかってたことなんです。
その「わかってる」ことを信じてあげられなかった。
エンパワーメントの基礎の基礎、本人にできる力があることを信じることができていなかった過去の自分への反省として、みなさんが同じ轍を踏まぬよう、ここに書き残していきます…
要らんことを言わない、その代わりに、たくさんたくさん褒めてあげていいと思います。
宿題を期限までに終わらせることができなかったのは残念なことだけど、やり遂げようという意思があることも、そのためにどうするか自分で考えることも、先生に自分から伝えることも、どれも評価に値することだし、勇気もいること。
できる力があることを信じてバックアップして、頑張れたことや去年より成果が出たことを褒める。
そうやって褒めつつ、頭のどこかで介入しすぎないように線を引く。
この辺のさじ加減を自分なりにうまくやっていくのが、子供の宿題に付き合うコツかな、と思います。
余談ですが…
最後におまけの余談です。
お子さんの宿題をどこまで手伝うか、という保護者として難しい課題があるかと思います。
これに関する私の現段階の答えは
「子供が自分で申し入れてきたら、できる範囲で」
です。
次男くんの場合は最近は「一人になると怠けてしまうからここに座っててほしい」とダイニングテーブルでの宿題の様子を見る、とかがたまにありますね。
中学のころは自学ノートに貼るためのプリントを用意してほしいと言われて手伝ったりしたことも。
あとは「今日中にやらないといけない宿題があるけど煮詰まっているのでマックに連れて行ってほしい」と夜中に言われて24時間営業の店舗で1時間くらいコーヒー飲みながら付き合ったりしたこともありました。(一応、ガラガラの店内で周囲に迷惑がかからないかは気をつけていたと書いておきます)
他の子たちにも「申し入れがあれば手伝うことはやぶさかではない」というお触れを出しています。
最近では三男の自由研究のまとめ方についての助言や、娘が苦手な教科について教えてくれと言ってきたときに対応したりとかそんな感じ。
こちらからプッシュ型の支援をするのではなく、あくまでも申し入れを自分でしてくることを前提にしています。
そうすると本当に困ったときには子供たちから言ってくるようになる。
その延長で私以外の人を頼ることもできるようになるといいな、という期待も込めての対応ですね。
あとちょっとの追い込みの親御さんもいらっしゃるかもしれませんし、冬休みや来年に向けての参考にと読んでくださっている方もおられるかもしれません。
宿題をなかなか自分でやり遂げられないお子さんを育てるの、大変だと思うけど少しずつできるようになっていくよう、心の距離を保ちながらボチボチフォローしていくお手伝い、これからもいろんな形でやっていけたらなぁと思っておりますの。ではまたね。