スズコ、考える。

ぼちぼち働く4児のははです。

「オバケがくるよ」って子供に言っていい?


いつも参考になるなぁと思って楽しみにしてるNHKラジオのなかの、大日向先生の育児相談の回。今日はこれ。

「言うことをきかせるために、お化けを使っても大丈夫?」

2歳3カ月の娘の「しつけ」について相談です。家には、リアルな絵の妖怪本があります。1歳頃、言うことをきかない娘に、「こんなに怖いお化けが出てくるぞ~」とおどかしてみたら、怖がって、見事に言うことをきいてくれるようになりました。以来、どうしても言うことをきかない時の最後の手段として使っていますが、暗闇を怖がったり、誰もいない場所には一人で行こうとしないなど、やや怖がりな子に育っている気がします。自分でも、言葉で理解させ、しつけをするはずのところを、お化け任せにしているようで、これでいいのか疑問に思ったりもします。しかし、効果てきめんで、お化けを使わずにはいられません。このままのお化けを使い続けてもいいのでしょうか? (こそだてカフェ|すっぴん!|NHKラジオ第1

 

結論から言いますね、と大日向先生。

「しつけを妖怪まかせにするのは止めましょう」

 

真っ向から全否定です。私もつい使ってしまうこともあるこの「オバケが来るよ」ってやり方。出だしから大日向先生にまるっと否定されてしまいました…

 

でもナマハゲに代表されるような、怖い物を使った躾は昔からされてますよね?と出演者、たしかにそうですよね。ナマハゲやそれに類似するような、子供たちを怖がらせる存在による「悪いことをしちゃいけない」って子供たちに伝える手法は昔からあったはず、でもダメなのかなぁ、と思っていたら大日向先生「どの家でも、泣き叫ぶ子供たちを抱きしめるお父さんお母さん、おじいちゃんたち大人の存在があるんです」と。

 

確かにそうだなぁと。

ナマハゲが家に押し掛けてくる映像、たいていが「悪い子はいないか」と脅す低い声とその姿に逃げて泣き叫ぶ子供たち、その子供たちが身近な大人にしがみつき、それを守りながら抱きしめる大人の姿がそこにある。

 

それが大事なのです、と大日向先生は続けます。

 

世の中に怖いものがある、悪いことをすると懲らしめられてしまう。でも、怖いものからこの人が守ってくれる、という身近な大人たちへの信頼感を怖さと同時に体で感じることが出来るのがナマハゲという風習にある大事な要素なのだそうです。

 

身近な大人を信頼する気持ちが、子供たちの中に「この大人の言うことを聞こう、聞かないといけないんだ」という意識を芽生えさせてくれる。

 

そこを見失って怖いものを親の使い易いように使ってしまうとどうなるか。

 

ママが妖怪を呼んでくる、親が鬼を呼ぶ、怖がらせる役を親がやってしまったり、怖い存在の味方を親がしてしまったら、子供たちはどこにもよりどころが無くなってしまう。ママはパパは「敵なんだ」「守らないと大変なことになってしまう」という恐怖心から言うことを聞くという流れになってしまう。

 

子供たちの躾に必要なのは「良いこと悪いことを「自分で」判断できるようになること」そのためには、身近な大人が善悪の判断を子供に見える形で伝える必要があるのだと大日向先生。

 

前述したような信頼関係が築かれている親子であれば、その親の規範を子供たちがスムーズに受け入れることができるのかもしれませんが恐怖心でそれを左右することは結果的に子供たちが「自分の力で」判断することを阻害してしまう、親の顔色を見ながらどうすべきかをいつも伺わねばならなくなってしまうのかもしれません。

 

これは私も聞きながらとても耳が痛く反省しきりです…。

 

怖いものがいるから、来るから、だからやっちゃダメ、じゃなく「なぜそれがいけないのか」をしっかりと子供たちに伝えること、その判断が出来る子に育てること…言葉で書くのは簡単なんだけど、実際に子供たちに接する中でそれを徹底するのは難しいなぁと痛感します。

 

一時期話題になっていたアプリ「鬼から電話」や怖い絵本、妖怪…子供たちの周りにあるたくさんの怖いもの。

ナマハゲと同じように、多分使い方次第なんだろうなぁと思う。親として便利なそういう怖い存在をつい使ってしまいたくなる気持ちをちょっと自省して、まず自分の判断を子供が素直に受け入れてくれるための信頼関係を築くことを第一に。改めてそれを意識して子供たちに接しようと思わせてくれる、そんな朝の数分間でした。

 

 

ねないこだれだ (いやだいやだの絵本 4)

ねないこだれだ (いやだいやだの絵本 4)

 

 子供たちの大好きなオバケの本、怖いだろうに何度も読んで欲しいと持ってきます。読んで怖いと思う気持ちをぎゅっと抱きしめて大丈夫だよって言ってあげるの、ナマハゲと同じ効果を得るために使えるのかもしれないなぁ。

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