スズコ、考える。

ぼちぼち働く4児のははです。

入学前におさえておきたい、学校とその周辺組織のアレコレ。


相変わらず気分で書いたり書かなかったりするブログです、こんにちは。

 

今日ふと書こうかなと思ったのは、学校関係のツイートを見かけたから。

(参考までに貼っとくのだけど、これに関する掘り下げ、という話ではありませんのであしからず)

 

元ツイートや自分のツイートに対する反応を色々と眺めながら

「あぁ、小学校に上がる時の保護者側のアップデートってあまり意識されにくいものなのかもしれないな」と思ったんですよね。

 

保育園と学校の違い、学校と学童保育の違い等々、似たようだけど全然違うそれらのこと、進学の際に把握としくといいことをまとめておいてもいいのかな、と思ったり。

 

「一緒に育てる」保育園から「教育を受けさせる」学校へ

保育園(子ども園)から学校への環境の変化の最たるものは、これだろうな、とTwitterで色々な声を見ていて、よく感じます。

 

保育士さんが保護者とある意味一体となって「子育て」を助けてくれていたのが「保育園」。管轄は厚生労働省であり、福祉の範疇に入ります。

 

かたや公立の小学校の管轄は文部科学省です。

保育のためではなく、子供たちの「教育を受ける権利(日本国憲法第26条の学習権)」を保障するために大人に教育を受けさせる義務があり、そのために通わせる施設が小学校です。

 

未就学時は「子育ての仲間」であった先生という存在は、小学校では「保護者と連携しながら児童へ文部科学省の学習指導要領に沿った学校教育を行う」存在となります。

 

保育園の先生方が想定してくれていたような(保育に欠ける)家庭のあり方を小学校は当たり前の前提とはしていません。

もちろん、各学校で異なる家庭の傾向などについてはある程度の把握はあるかもしれませんが、最初から個別の家庭状況に配慮することは前提になっていないと思っておいた方が良いと思います。

 

福祉と教育という組織の目的がまず違う、管轄する省庁も違うということは一番大事な大前提として把握しておく必要があろうかと思います。

 

多様な家庭がある、ということ

公立の小学校に臨むにあたって、もうひとつ絶対に忘れてはいけないことがあります。

それが「家庭のあり方が恐ろしく多様な可能性がある」ということです。

 

保育園では園にもよるとは思いますが、家庭の内情に食い込むほどの付き合いに至る必要はそうないかもしれませんし、「両親共働き」という前提で通園している家庭が多いと思っていてもさほど影響はなかったかもしれません。

同じ園に集まっている保護者の傾向が似通う可能性も高いと思います。

 

これが、公立の小学校となると状況は一変します。

両親が揃っていない家庭も結構な割合でありますし、祖父母や親戚が養育する家庭、里親や施設から通学する子たちもいます。

また、両親が揃っていたとしても経済状況や家庭のあり方、価値観、金銭感覚などは本当に多様です。

 

例えば、夜寝る前の絵本の読み聞かせの時間を当たり前にとってきた家庭もあれば、家に本など1冊もなく手に取ったこともない、という子もいます。

小さい頃から歯医者で定期点検を欠かしたことのない子と、歯医者になど行ったこともない子が同じ教室で机を並べたりすることもあり得る。

 

自分の家で当たり前だと思って子供たちに施してきたことが全然当たり前じゃない、逆に自分の家でやったこともないことを「常識だよね」とやっている家庭もあったりする。その、恐ろしいほどの家庭環境の違いが表面的にはすごく分かりづらい形になっているのが、公立の小学校だと思います。

(もちろんその差が明るみに出にくいことは子供にとってのメリットでもあるわけですが)

 

大抵の方が謙遜の気持ちもありつつ「自分の家庭が普通(もしくは普通以下くらい)」と考えやすいのですが、自分が想像もつかない、これまでに接したことのない生活水準のご家庭で育った子たちも公立小学校にはいる可能性が高いです。

逆に、とんでもない金持ちが「小学校くらい公立で」と通わせているケースもあります。

 

また、様々な宗教や生活の規範となる特定の思想などがベースにあるご家庭もあります。

 

自分の家庭が標準、とは絶対に思わず、いろんなご家庭があるのだ、という前提で臨まれた方が色々とスムーズだと思います。

 

学校と学童保育の違いとその種類

保育園からの入学の場合、下校時間の早い低学年のうちは学童保育の利用をされるご家庭も多くなるのではないかと思います。

 

学童と称されることが多いですが、法的には「放課後児童クラブ」と呼ばれます。(障害のある子が通う「放課後等デイサービス」とは別物です)

 

放課後児童クラブは大まかに分けて3種類あります。

  • 公設公営(自治体が設置し、自治体が運営する)
  • 公設民営(自治体が設置し、民間団体が運営する)
  • 民設民営(民間団体が設置し、民間団体運営する)

 

民間学童の場合は学校と別組織であることがわかりやすいのですが、上の2つに関しては学校の敷地内に設置されているケースも多く、学校と同じ組織であると勘違いされやすい傾向があるかと思います。

 

公設の放課後児童クラブは校舎や体育館の一部を借り上げる形や学校敷地内別棟などで運営されていることが多いですが、学校とは別組織であり、多くは自治体の福祉部門が管轄していることが多く、役所の保育園を管轄する部署が兼務しているケースも多いのではないかと思います。

 

学校とは全く別の組織になりますので、問い合わせや申込みの窓口も違います。

それぞれの先生同士でやりとりをすることもあまりないと思っておいたほうが良いと思います。むしろ勝手に個人情報をやり取りするという問題になる可能性を考えると保護者の同意なく児童のことについてやりとりをすることは控えるべきとされる方向だと思われます。

 

学童の先生と呼ばれる方々は放課後児童支援員、有資格者でない方は補助員と呼ばれます。教員免許や社会福祉士、有資格者とは保育士など特定の資格を持っていたり、支援員としての研修を受けたりした方々です。(2015年の子ども子育て支援制度で規定され、5年の移行期間を経て2020年より有資格者の配置数などの制度が義務化されています。)

 

民間ではいろいろな特色を打ち出しているところもあるかもしれませんが、主な目的は保護者が迎えに来るまでの時間の安全に配慮した見守りになります。

宿題をさせるところもありますが、あくまでも本人の意志に任せる前提で、強制したり細かく教えたりすることは業務の中には入っていないと考えたほうが無難だと思います。

 

学校の入学説明会の中で学童からのお知らせの枠があったりすることもあるため、同じ組織のように勘違いされやすい側面があるかと思いますが、保育園と学校の関係と同じように【管轄も目的もちがう別組織】だということはおさえておいたほうが良いかと思います。

 

学校とPTA

学童と同じように学校組織と混同されやすい組織として、PTAがあります。

学校によっては今もかなり境目がわかりにくいところもあるようではありますが、基本的には学校とPTAは全くの別組織です。

 

PTAのTはTeacher(教師)なので、もちろんキッチリ切り離されているわけではありません。先生方が各校のPTAに入るかどうかに関しては仕組みの上では任意であるとは思います。(もちろん忖度がそこに存在する可能性は否めないのが現実だとは思いますが、それは保護者である我々には介入のしようのないことなのでここではおいておきます)

ちなみにうちの子たちの小学校では先生方は全入ではなさそうではありました。

 

学校によっては管理職の先生がPTAの事務的なことをやったり、PTAが雇用する事務員さんが職員室に机を置いて在籍したりしているケースもあります。

この辺も傍から見たら同じ組織の中と見えやすい要因だと思います。

 

また、お便りの形式が似通っていたり、子供がまとめて持ち帰ったりするため、PTAからのものと学校からのものとが区別しづらくなっていたりすることもあるかもしれません。

 

公的なお便りにはたいてい、右肩に発行した責任者の組織や役職、氏名が入っていると思うので、受け取った際はそれらを確認してどこからのお知らせなのか把握した上で対応すると良いかと思います。

 

おまけ、学校との対応で困ったら。

ここまで色々と組織のことを書いてきました。

入学を前に、いろんな不安がきっとあるだろうなと思うのだけど、そういえば3年前にそんな記事を書いていたので貼っておくね。

 

suminotiger.hatenadiary.jp

↑の記事にも詳しく書いていることだけど、本当に困っていることをきちんとお話しして邪険に扱われることはほぼないなぁと経験上思います。

長男が入学してから丸12年経ちますが、ほとんどの先生方は皆さん一生懸命に子供たちにとって必要なこと、大切なことを一緒に考え、対応してくださっています。

 

ネット上にはいろんなこと(急にラップの芯もってこいって言われるとかからいじめのことやらなんやら)が渦巻いているし、私も学校の先生の心無いように思える対応に泣いたり、怒ったりしたこともないわけじゃないんだけど、でも、本当に大抵のことはちゃんと話せばどうにでもなる。

 

言わなくてもわかるだろうとか、ちょっと考えたらわかるでしょとかが一番危ないのね。それは、これまで書いてきたように「いろんな家庭がある」のも要因の一つだと思うし、先生方がとてもとてもお忙しいのも、理由としてあると思う。

 

こちらが対話の姿勢をしっかりと持てばうまく進むことも、こちらが感情的に踏み込んでしまえばうまくいかなくなったりもする。

 

「一緒に育てて」くれていた保育園から、「子どもを真ん中にして対等に支え合う」学校へ。

違う場所へ進んでいく子どもたちをフォローしていくために、保護者としてできるだけの情報をバックボーンにして漕ぎ出していく必要があるのかな、と考えたりしています。

 

余談ですが、先日「小1の壁」のことも書いてたのでそれ、置いとくね。

入学を前に「いざという時に動ける働き方」についてお家で話すの、大事。

 

suminotiger.hatenadiary.jp

 

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