スズコ、考える。

ぼちぼち働く4児のははです。

「小1の壁」フルタイム共働きに対応した学校にはなっていかないと思う、という保護者の働き方の話(ツイートまとめ)


スズコですこんにちは。

 

昨日、なんとなく書いた「小1の壁」関連のツイートが思いのほか伸びたので備忘録的にこちらに転記しておこうかなと思います。

当該のツイートはこちらです。

(おおむね、昨日の連ツイをまとめて加筆修正するような内容になります)

https://twitter.com/suminotiger/status/1594543753590558720?s=20&t=QMlIPfCBKwywo2XUgn85zA

 

 

発端となった恒例のツイートの話

まず、私がこのツイートをしたのは(直前にRTしていたと思うんですが)毎年この時期になると同じようなツイートが流れてくるなぁということからですね。

 

当該のツイートへのリンクは貼りませんが、内容としては

「入学に関する学校からの招集が平日の昼間ばかりなのはフルタイム共働きが対応できなくて困る」

という主旨のもの。入学前保護者説明会のお知らせがで始めるこの時期時毎年流れてくるこのお知らせ。

かく言う私も現在18歳の長男の小学校入学時には似たようなことを思ったりしたのでそう感じる気持ちはわからなくもないなぁ、という感じではあります。

 

毎回上がってくるこの声に対して、小学校の保護者を12年間やってきて色々と見てきた中から思うところを書いたのが、最初にご紹介したツイートから始まる「多分、学校はフルタイム共働きの働き方暮らし方に合わせてくれる方向にはいかないだろうな」というお話です。

 

(余談ですが、ここからのお話は「私がどうしたいか」「どうすべきだと思っているか」と言う個人の思考の話ではなく、現状の学校がどうか、保護者の傾向としてどうか、子どもたちを取り巻いている状況はどうか、という大まかな全体像についての話になります)

 

理由① 教員の働き方改革が進んでいるよ、という話

学校の内情として、ここ数年で急速に「教員の働き方改革」が進もうとしている印象があります。

もちろん地域差や学校による差も大きく、また進んでいるとはいえまだまだブラックな就労環境である傾向は強い現状は残っていると思いますが。

 

ただ、古く根強く残っている「教員になったからには家庭を犠牲にしてでも長時間働くのが当たり前」という風潮は、保護者としてはかなりテコ入れが始まっているように見えます。

 

定時になったら電話を留守電に切り替えたり、「〜時以降の連絡は受け付けません」と年度当初にきっちり明言する学校も出てきています。

また、ノー残業デーを決めている学校や部活動の時間を教委単位でルール作りをして制限をかけている地域も増えてきています。

 

教員が自分の子供の世話や行事を理由にして早退したり欠勤したりするケースは性別を問わず増えてきているし、最近は子どもたちもそれが当たり前になりつつあるので家庭で話題にも上らないようになってきているような印象もあります。

 

「教員は時間外労働という無理をしてまでニーズに応える必要はない」という風潮が少しずつではあっても現場に浸透しつつある、それが保護者にも少しずつ届くようになりつつあります。

 

まだまだ十分な改善に至っているとは言えないかもしれませんが、あと数年で迎える50代教員の大量退職、50〜40代教員が極端に少ないことも勘案するとその後に現場でマジョリティになるのは若年層の教員。

若い先生方が中心になっていくことも影響して、この働き方改革が進む傾向はおそらく加速度的に広がっていくだろう、と思われます。

 

それを考えると、現状で「平日昼間」を指定されているような行事関係が「フルタイム勤務者に合わせて教員の労働時間外に設定される」という未来はおそらく来ないと考えたほうが妥当だと思います。

 

「その時間に来られない人」に対応する何かしらの仕組みづくり、という方向で改善する可能性はあるかもしれませんが、現状でも欠席する家庭への対応はどの学校でも行われているはずのことではあります。

ICTを利用したりするような改善はあるかもしれませんが、それらが時間外労働の上に成り立つような方向への改善はないだろうな、とは思います。

 

理由② 現役保護者からのニーズが束として上がることは考えにくい、という話

フルタイム共働きの働き方暮らし方に合わせる方向に学校がシフトすることはないだろうな、と考えるもうひとつの理由のベースになっているのは、子供たちを取り巻く環境の状況とその対応の難しさです。

 

長く小中学校の保護者として義務教育と関わってきましたが、保護者として子供と接する時間、学校とやりとりする時間を確保する、というのが子供たちの成長に関わる重大な役割なんだな、ということを痛感していたりします。

 

各種行事のように事前に日程がわかっているものへの対応はもちろんですが、体調不良やメンタルの不調、校内でのトラブル、ここ数年のコロナ禍など、保護者として対応する必要がある事態が予測のつかない形で突発的に飛び込んでくることは本当によくあります。

我が家でも何度もありましたし、周囲でも小学校ではずっと優等生だった子が中学で急に不登校になったり、本人にも理由のわからない腹痛で毎日保健室から早退希望の連絡が入ったり、なんていう事例も周りで起こったりしています。

 

また、自分だけの不調ではなく、例えば学級崩壊に遭遇してしまいケアが必要になる、集団でのトラブルに巻き込まれて学校や他の保護者との話し合いが必要になる、なども起こり得ます。

 

これらの対応も、仕事の時間を削らないと対応ができなかったりするものも多いのではないかと思います。

 

このような様々なトラブルに関して、そばにいる保護者として「とにかく今は子の対応を最優先にしなくては」となるターンがしばしば来ることがあります。

 

未就学児の頃の病気などの有事は「とりあえず死なないように治るまで誰かが面倒を見ておく」というお世話が主体になってくると思うのですが、思春期以降の不調では同居の保護者でないとケアできない細かな機微が必要になる場面も多くあり「誰かに代わってもらう」というのが難しいと感じることも多いです。

また、そのような不調の際に保護者を信頼して話をしてくれるだけの関係性を日頃から築いておくための保護者側の時間的精神的余裕というのも鍵になってきます。

 

トラブルの際にvs学校、vs他の保護者に対する牽制として「保護者の立場」を誇示するメリットがあることも当然ながらあるのですが、そういう建前のことよりももっとシンプルな理由として「目の前の我が子の安定のために親が安定してそばにいる必要がある」というターンも起こり得ます。

 

我が家ではこれは小学生だけでなく、中学、高校に入っても完全に目も手も離しきれない難しさを感じてはいます。(高校生にもなるとほぼ手は離れますが、それでもメンタルが安定して通えているか日常の細かな様子を見る必要はありますし、校内でトラブルが起こった時の保護者としての責任は義務教育である小中学校より遥かに大きくなります。(次男がトラブった時は夫婦で平日昼間に複数回、学校に駆けつける日がありました…))

 

こんな形で子育てを経験している身からすると、小学校就学以降の子育てにおいては「突発的に仕事を休んで昼間の学校に出向ける」「突然学校を休むことになった子に対応できる」というのは「整えておくに越したことはない体制」だと感じます。

 

このような経験をしてきている保護者が少なからずいるだろうことを考えると、保護者の総意として、大きな声として「学校はフルタイム勤務の保護者に対応すべき」という声は上がりにくいだろうな、と考えた方が妥当だなと思っています。

 

先ゆくものが後進のために整えるべきだというムーブメントにはなりづらいのではないかな、と。

 

保護者として有事に対応する、ということのお話

就学前のお子さんを持つ親御さんが「昼間学校にこいというのは共働きに対応していない」と仰りたくなる気持ちは、同じ共働き保護者として痛いほどわかります。

ですが、残念ながらここから先の育児において「それに対応できないような就業体制だと起こり得る有事に対応できないかもしれないよ」とも思います。

 

様々な要因から「学校の方が保護者にとって都合よく変わってくれる」ことはないと考えておいた方が無難です。

 

すぐに働き方を帰るのは難しいかもしれませんが、就学前に家庭で

「朝、急に子供が学校に行かないと言い出したら」

「子供の異変を感じて休ませるべきか悩んだ時どうするか」

「突然の休校で1ヶ月以上子供が学校に行かないことになったら」

「早退したいという連絡が突然毎日来るようになったら」

など、いろいろなケースを想定しながら家族でどう対応していくかを話し合い、それぞれの職場とどう折り合っていくかを検討しておくほうが後々スムーズかもしれないなと思います。

 

根っこは家庭の問題ではなく「働かせ方」の問題だと思うという話

ここまで保護者の働き方を主に話をしてきましたが、子どもたちが健やかに育つための環境という側面から見たら変わるべきは「保護者の働き方」であり、それはひいては「保護者を雇用し働かせる組織のあり方」の課題だと思います。

そしてそれは、ループのように「教員の働き方」「教員(としての大人)の働かせ方」の課題ともリンクしていくのだろうと思っています。

 

保護者が精神的な余裕を持って子育てをすることはひいては子供の権利を守ることにつながります。

保護者の働き方の問題が改善されていくこと、保護者が安心して仕事を休みながら子育てしていける環境を整えていくことは、児童生徒の健全育成を考えたら至極真っ当な、進むべき方向だと思います。

 

余談① vs学校 vs他の保護者に対する保護者としての立場

ここからはちょっと余談のツイートまとめです。

 

過去に加害側被害側巻き込まれた側、等、いろんな立ち位置で学校や他の保護者と接してきた経験がありますが、そのどの立場に立った時も「迅速に学校に出向ける保護者」の方が絶対的に強いな、と感じます。可能なら「夫婦揃って駆けつける」ができるとかなり強いです。

 

どの立場にあるときでも、その先の話し合いや交渉がスムーズに進みやすくなる傾向があります。

当たり前と言えば当たり前ですよね、何かあったときにすっ飛んできてくれる人の方が信頼に足るだろうなとは思います。

 

初手が遅れると拗れやすい(我が家もこの失敗で痛い目を見たことがあります)ので、やりとりや出向くのは少しでも早く、そしてそれができる体制を整えておく、というのが鍵かなぁと思います。

 

余談② 学校からのオーダーに「無理!」ってなったときのお話

これも毎年このくらいの時期に呟いていることなんですが、学校から届く何かしらのオーダーに直面して「この通りの対応はうちは無理!」ってなることは起こり得ると思うんですね。

 

そういうときには「早めに正直に担任に相談する」ことをお勧めします。

ギリギリになってぶっちぎったり、自分の都合をゴリ押ししたり、クレームとして叩き込んだりするのはお子さんのためにもならないのでお勧めしません。

 

これはちょっと無理だなっていうことは事前に正直に担任の先生にお話をし、協力を依頼したりヘルプを出したりすれば大抵の先生方は一緒にどうすればいいかを考えてくれると思います。

 

期日までに何を持ってきて、とか、保護者だけくるように指定された行事だけどどうしても下の子を預けられなくて困る、とか、そういうのも「なんとかしてよ!」っていうスタンスじゃなく「困っているけどどうしたらいいでしょう」って持ちかけたら、先生方はたいてい、真摯に対応してくれると思いますし、そういう声が次年度以降の改善につながったりもすると思います。

 

こんなこと言っていいのかな、って思うかもしれないけど、心配せずに相談してみると良いと思います。

 

(丁寧に申し入れても無碍にされて腹立ったらTwitterで愚痴るといいよ…)

 

終わりに

大変長くなりましたが、そろそろツイートまとめブログを閉じたいと思います。

この保護者としての働き方の課題は、これまではケア要員として母親に押し付けられがちだったと思うんですね。

でも、私は性別を問わない、父親も母親も両方が考えるべき課題だろうな、と思っています。

 

両性が互いに当事者として関わらないとそれぞれの職場も変わっていかない、という、雇用環境の問題がひとつ。

 

そして、両親が当事者として考え関わっていくことで家庭の中でも子供たちが男女問わず「自分がどう働いていくか」を考えていくベースにもなっていくだろうなとも思うんですね。

 

就労する人全てが「仕事だけをする人」ではなく、「育児や介護を含め家族との生活も大事にしながら働く人」としての働き方ができる社会になっていくこと、それがひいては子どもたちの健全育成につながっていくのだろうな、とちょっと壮大なことを言って終わりにしようと思います。

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