スズコ、考える。

ぼちぼち働く4児のははです。

次男がお弁当を忘れなくなった意外なハックの話


こんにちは、イシゲスズコです。

今日は2年目を迎えた高校生活の中で次男の大きな課題となっていた「お弁当問題」のお話です。

 

 

「毎日のお弁当」という難関

高校2年になった次男、平日の昼食は毎日お弁当です。

注意欠損の特性のある彼がお弁当を毎日忘れずに持って行く、というのがとても難しいだろうということは親として予測の範囲内でした。

 

我が家にはすでに1つ上の兄がお弁当生活を送っていました。

私が毎朝作ったお弁当をキッチンの作業台の上に置いておき、それを自分でカバンに入れて持ち出す仕組みにしています。

次男のお弁当が始まってからは台所に2つのお弁当が並ぶ日々となりました。

 

案の定、入学後お弁当が始まってからすぐに事件は起こりました。

登校後に残されているお弁当、別の日は昼休みに私が自宅に戻ったら残されているお弁当…

 

最初のうち何度かは慌てて高校の事務室に届けてあげていました。

でも毎回それを繰り返していては解決はないよなぁ…と思い、1年の途中からは「忘れていても届けないから自分でどうにかして」というシステムに切り替えていました。

 

それなりになんとかしていたらしい、次男くん

システムを変えて「忘れたら自分が困る」仕組みになっても弁当の置き忘れがなくなるわけではありません。

さすがADHDだな、と変な感心もしたものです。

往々にして「自分が困ればなんとかするだろう」と考えがち。

だけどその想定を斜め上を超えていくのが発達障害なのだなぁと改めて痛感したりしていました。

 

お弁当を忘れても彼は彼なりにどうにかしていたようです。

自分の手持ちやクラスの友達に借りたお金で購買のパンを買ったり、通学途中にある祖父母宅によって小銭をもらってコンビニに寄ったり、お腹を空かせたまま帰宅して夕方弁当を食べたり…

 

とりあえずはそれでなんとか回っていたようなので、自分なりに解決している、とみなして様子を見ていました。

 

次なる問題が…

高校卒業までこの仕組みでいいかなと思っていたあるとき、とある課題が浮上しました。

それは「残った弁当未消化問題」です。

 

当初は帰宅後に家に残されていた弁当を帰宅後に食べたり、夕ご飯の時に食べたりしていた次男でしたが、あるところから「帰宅途中の祖父母宅で何か食べさせてもらう」とか「帰宅後に弁当ではなく家にある違うもの(インスタントのストック等々)を食べる」という、残された弁当以外のものを食べるようになったんですね。

 

そりゃ置きっ放しの弁当(一応私が気づいた時は冷蔵庫に入れてました)よりもばあちゃんの作ってくれたものや自分で作る夕方のうまかっちゃんの方が美味しいのは当たり前だし、チンした弁当より出来たての晩ごはんの方が美味しいに決まってるわけですね。

 

「自分が忘れてしまったから」という責はあっても目の前の美味しいものを選んでしまい、夜遅くに冷蔵庫には食べていない弁当箱が。

私が「責任を取って自分で捨てて弁当箱を洗え!」と憤慨する事態が週に数回起こってしまうようになりました。

 

これではいけない、と次なる対策を母、考えました。

 

母の「おにぎりだけ用意します」宣言

悩んだ末、ちょっとひどいかなぁと思いながら

「もう、次男くんにはおにぎりしか用意しない」

と宣言しました。

 

翌日から、数種類数個のおにぎりを台所に並べ、ランチ用のトートバッグを添えておきました。おにぎりバイキング方式です。

 

もし次男が忘れて出かけたり残していたら私はそのラップに包まれたおにぎりを冷凍庫に突っ込めば保存食として置いておけます。夢の廃棄ゼロです。

 

次男が嫌がるかなと思いきや「昼休みに課題をやったりして時間がないこともあるから食べやすくてむしろ助かる」とノリノリ。

これまでのお弁当作り生活はなんだったんだ…とちょっと切なくなりました。

 

「おにぎりバイキング」の意外な効果

おにぎりバイキング方式に変更したのが2年生の1学期途中だったと思います。

それ以降、次男のお弁当忘れは記憶の限り、ほぼゼロです。

 

手順だけを考えたら、台所に置かれた弁当(専用のポーチに入ったもの)を掴んで出かけるのと、おにぎりを選んでバッグに入れてチャックを閉めて持ち出すのは、前者の方が簡単なはずです。

 

なんでだろう、と彼の様子を観察したりしていたのだけど、どうも日替わりのおにぎりを「選ぶ」という楽しさが追加されているらしいのがひとつ。

それから「何個にしようか考える」など複数のステップが追加されたことにより、ただ掴んで出かけるのより忘れにくくなっている様子が見て取れました。

 

私が苦肉の策として取り入れた作戦は、彼のADHDとしての特性をうまく刺激する結果になっていたのかもしれません。

 

おわりに

発達障害のある彼との暮らしは大変なこともたくさん。

だけど、こんなふうに日々の面白い発見も散りばめられていて時々ニヤニヤしてしまう。

 

サポートを考えるとき、私たちはつい「手順を簡潔に」「ステップを減らす」という形で楽にすることで取り組みやすく、と考えがちだけど、一概にそれだけが本人にとってベターだとは限らないんだなぁと改めて「個人に合った配慮」について考えるきっかけになるお弁当問題でした。

 

そして、このおにぎりバイキング方式ももしかしたらそのうちまた違う問題が浮上して、さらなるテコ入れの必要が生じるのかもしれません。

その時はまたなんかしら考えて、また何か書くかもしれません。

とりあえず今日はこの辺で。

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