スズコ、考える。

ぼちぼち働く4児のははです。

次男、高校で合理的配慮の提供を受けるまで④ 〜まだまだ山あり谷あり1学期編〜


こんにちは、歯がしみるような痛みがあったので「今度こそ早めに!」と意気込んで歯医者を予約したら歯医者さんに「知覚過敏だね」と言われたお年頃のスズコです。

 

ここ最近は毎日のように夕方、三男担任、次男担任からの着信が相次ぎ、たまに娘の担任や長男の学校アプリや部活アプリからのメッセージが立て続けに入る感じの「お母さんとしてのリソースであっぷあっぷな毎日」を送っております。

 

さて、半ば連載のようになっている次男の高校の合理的配慮について、あまり間があくと忘れてしまうので経過を記録しておこうと思います。

 

 初回はこちら

2回目

 3回目

suminotiger.hatenadiary.jp

 3回目を書いてから約半月の出来事をまとめていこうと思います。

 

 

SSWさんと面談してきました

前回の記事の中でも触れた次男の提出物の問題。

担任や特別支援コーディネーターの先生との面談を経て少しなんとかなるだろうか、と思いましたがやっぱりなかなかハードルは高い。

悩む担任と一緒に、何かのヒントが掴めたらと学校に派遣されているスクールソーシャルワーカー(SSW)さんに相談に行きました。

 

スクールソーシャルワーカーさんとは、生徒や児童の問題に対して保護者や教職員と連携して問題の改善や解決のための助力になってくれる専門家です。

スクールカウンセラーさんが本人(保護者、教員含む)とのやりとりがメインなのに対して、スクールソーシャルワーカーさんは周りとの連携に重きを置いた対応をしてくださっている印象があります。

 

私と担任、SSWさんの面談の中での細かなやりとりは個人的なことを含むのでここでは伏せますが、担任の先生はこちらの悩みや対策の提案に対して校内でどう取り組むかをその場で色々と考えてくださり、SSWさんの助言も受けながら忘れ物や宿題の把握の仕方についてたくさんの議論ができました。

 

また、その場で担任の先生が考えた対策を翌週から早速導入してくださり、支給されているタブレット端末を活用した上で彼以外の生徒さんのメリットにもなるような対策をとってくださっているようです。

 

タブレット端末の導入でうまくいきそうな予感と、まさかの落とし穴

筆記の困難もありでメモをうまく取れないこともあるのが露呈してきていた次男のために、担任が必要に応じて支給されているタブレット端末による撮影の許可を校内でとってくれていました。

 

細かな注意点などはある様子ですが、原則彼が必要を感じた場面で黒板や実験記録などを撮影することが認められているようです。

 

これで帰宅後に確認しやすくなる!と喜んで送り出したその日の夕方、担任からの電話で私、膝から崩れ落ちました。

 

「次男くん、タブレットの充電を忘れて登校してるんですよね…」

 

それを伺って、走馬灯のように思いだした事案がありました。

まだ次男が小中学生の頃、移動範囲が広く興味を持てばどこに行ってしまうかわからない次男に何度かキッズ携帯を持たせようかと思案したことがありました。

 

でもその頃に私が毎回出した結論は

「興味のないものを彼が持ち歩きこまめに充電するはずがない、絶対どこかに置いてくる」

 

ここを逆手に取ったのがスマホの導入でした。

ゲームや友人とのやりとりができる端末を手に入れた彼は注意欠損の特性が強くあるにもかかわらず、スマホ購入からまる3年ほど、1度も充電を忘れたことも落としたり無くしたりしたこともありません。

 

そしてここにきて導入された学校支給のタブレット端末。

学校の厳しい規定の中でゲームや動画視聴は厳禁と取り締まられているなんの面白みもないその分厚い板を、彼が大切に扱うはずはなかったんですね。

そこに気づかなかった自分が情けなくて、電話を受けた出先で文字通り膝から崩れ落ちそうになりました…

 

この件についてはその後自宅でタブレット充電用のスペースをきっちり確保し、学校から帰ったら荷物を出してここで充電して…とルーティンの刷り込み直し作業を行いました。(果たして毎日うまくいっているのかは霧の中ですが今のところ担任からその件で連絡来てません…)

 

この辺はすごくADHDらしい特性の現れ方だなぁと思ったりします。

本人にとって価値があるもの、興味関心があるものについては力を発揮するけれど、そうでないものに関してはその力を全くといっていいほど出せなくなってしまう。

 

彼にとってタブレットはうまく使えば困難を軽減するためになるツールなんだけど、興味関心がさほど持てないことで「それを使う」ところまでも行き着けないというのはすごく惜しい。

でも結局は本人にしかどうにもならないことなので、私たちには環境を整えるところまでしかできないんだなぁ、と痛感しています。

 

支援員がつくかもしれないらしい

先日、担任の先生から「学校管理職の会議の中で支援員さんの配置が決まりそうだ」と連絡がありました。

 

支援員の必要性については先生方で検討してほしいとお伝えをしていたのですが、授業中に板書が追いつかなかったり、実習のときに脳が明後日の方向に飛んでいってしまっている様子が見られるとのことで、声かけや荷物整理のサポートなど適宜対応していただけるようになるかもしれないと期待しております。

 

ビジネスバッグを買い足して荷物整理

前回言及した通り、荷物の整理がやっぱり難しく忘れ物が頻発してしまっていたので、本人と相談して教科ごとのケースを用意。

そのケースと毎日持ち帰るタブレットを入れるためにビジネス用のショルダーバッグを買い足しました。

PC用のスペースにタブレットがちょうど収まる感じです。

 

帰宅後に所定の位置(本人の机)で荷物を出す

タブレットを出して充電

→持ち帰ったプリント類の整理(捨てる・私に渡す・保留の3つに分ける)

→翌日の時間割を整理

→宿題をやる

 

ここまでを一連のルーティンにできるよう、取り組みやすい環境づくりをしているところです。

 

おわりに

ここまで書いてきて「こういうことを本来は小中学校までにやっておかないといけなかったんだろうなぁ」と何度も考えてしまう自分がいます。

きっと先生たちもそう思ってるんだろうなぁとも思いますし、これを読んでいる方もそう感じていてもおかしくないようなぁと思います。

 

よく、なるべく早く支援学校に行って自立のための取り組みに入っていた子のほうがその後の経過が良い、という話が親の会でも出ます。

次男に関してもどんな経路を通った方がよかったのか、という後悔のようなものがないわけではなく、困難に直面するたびにルートを間違えたんだろうか、とつい考える自分がいます。

 

でも、そう感じている時って大抵、自分の中に焦りがあったり余裕がなかったりする時なんですよね。

 

落ち着いてゆっくり思い返すと「あ、無理だったじゃん」って思うのです。

 

次男と私のこれまでは、その場その場でその時考え抜いた結果のベターを選んできたじゃないか、と思うのです。

そして同時に「あの頃の次男にこれをやらせようと思っても無理だったじゃん」とも思うのです。

 

「自立までの道のりの中でいつどのタイミングでできるようになるか取り組めるようになるか全く読めない」

 

というのは、発達障害の子を育てていくときに直面しやすい課題なのかもしれません。

 

課題が見えたときが取り組むチャンス

 

という、今突然思いついた名言っぽいものを書き残して、慌ただしかった半月間の記録とさせていただきたいと思います。ではまた次回。

 

おまけの余談。

Twitterでフォロワさんと会話している中で「どうも大分県は県教委がだいぶ頑張ってるっぽいぞ」というのが見えてきました。

タブレット端末の導入に関して今朝新聞記事になっていましたが、九州でも県立高校への100%配備が完了しているのは佐賀と大分だけでした。

次男の合理的配慮のやりとりに関しても、県立高校としてかなり手厚い印象を受けます。

私の比較対象はこれまでの小中学校の対応しかありませんから、手厚さに感動しきりなのですが、もしかしたら他の都道府県との温度差もかなりあるのかもしれません。

 

私のこの連載っぽくなっている次男との奮闘記も、あくまでも大分県のいち県立高校のお話です。

地域や学校が変われば対応も全く変わってきてしまう可能性もありますので、そこはご留意いただけると幸いです。

スポンサードリンク