前回の記事を書いてから1ヶ月経ちました。
この1ヶ月間、ツイートはダラダラとしていたもののブログの更新をしていなかったことに今気づきました。
次男の入学と三男の登校再開が重なり(プラス娘もなんだかんだ問題の起こりやすい中2を迎え)、夕方にはそれぞれの担任からの連絡が時間差でどんどん入る日もあるような、そんなてんやわんやな1ヶ月を過ごしておりました。
さて、そんな1ヶ月を振り返っておこうと思います。
次男の特性についての書類提出
入学式の日のお話の中で彼の特性についての書面を出してほしい、と言われていたので(前回参照)、早速診断までの経緯や小中でどんな困難があったか、どう対応していただいてきたか、などをA4で3ページにまとめて週あけに持たせました。
前回も書いたと思うのですが、小中学校でこのような書類をこちらから渡したり、渡そうとして断られたりしたことはあっても、先方から求められることはなかったので「読んでいただける!」と意気込みつつ、詰め込みすぎては逆効果かもしれない、とかなり端折る形で作成を進めました。
具体的には「聴覚の認知が弱い」「見通しを立てるのが難しい」「疲れやすい」など、彼の特徴的なトピックをあげ、それについての説明を2段落程度でまとめた文章を添えました。
また、最後に「発達障害の特性は環境により困難の現れ方が変動しやすいため、高校でどのような問題に直面するか、私たち保護者にも想像がつかない面も大きいです。一つずつ積み重ねていかねばならないかと存じますが、先生方のご協力をお願いします。」と、一番伝えたいお願いを書き添えさせていただきました。
連日のお電話と、対応の日々
最初の1週間ほどはオリエンテーションや上級生との交流など授業ではない時間が多かった様子で、本人もそれなりに楽しそうに通っていました。
ただその中でも、指示がうまく理解できずに周りとうまくいかなかったり、以前から揶揄われていた同じ中学の子との諍いなどはあったようで、2日に1回ほど担任の先生から着信がある日々でした。
担任の先生は支援の必要な子を担当するのがおそらくは初めての様子で、わからないことだらけだけれど彼のためにできることを、と熱心に様子を見てくださっているようでしたが、彼にかなり手を焼いているだろう様子はお声からひしひしと感じられ、拝むような気持ちで電話でお話をさせていただく感じです…
早速浮き上がってきた「提出物」の問題
そんなやりとりの中、私がかなり気になるトピックが上がってきました。
「期限までに提出物を出せていない」というのが複数重なっているらしいのです。
帰宅後にそれなりの確認はしていたものの、カバンを開けるわけにもいかずこちらもバタバタしていたのもあり、確認が不十分のまま1週間ほど過ぎてしまっていた頃、担任の先生からもその件についての心配するお電話をいただきました。
家庭で私と次男がサシでやりとりしても埒があかないだろうと思ったので、担任の先生にお願いして、放課後に私と次男、担任と特別支援コーディネーターの先生の4者で面談の時間をとっていただき、状況を全員で確認することにしました。
私の申し入れに先生方は即時対応してくださり、4者での面談がもたれました。
まず、何がどの程度停滞しているのかを担任の先生の声かけて次男が一つずつ確認。
書類がカバンに入っているかを確認して、紛失や破損がないことも確認できました。
次に特別支援コーディネーターの先生の声かけで、どこに彼の困難があるのかを探っていきます。
教室でプリントが配られるのはどんな状況下か、宿題の提示はどんな状況で行われるのか、それらを次男がどう裁いているのか、を一つ一つ丁寧に確認していきます。
また、担任の先生が「なぜこれらを提出しないといけないのか」や「これを提出しなかった時に誰がどんなふうに困ることになるのか」を細かくお話ししてくださり、本人も理解した様子でした。
ランドセルにプリントを詰め込んで蛇腹にしていた頃に比べたら、破損や紛失なく書類をカバンに入れておけた(自分のクリアファイルに挟んでいました)のは、かなりの成長を感じられる部分ではあるなぁと感心する側面もありつつ、やはりそこから先のステップがまだまだ難しいのだなぁと。
先生方との時間をかけたお話は、彼の課題を浮き彫りにする良い機会になったと思います。
余談ですが、高校の先生方は一つ一つの指導について、彼に丁寧に「なぜこれが必要なのか」を説明してくれている様子が伺えます。
これは、小中学校ではなかったサポートだなぁと感じています。
「卒業後の社会参加」が近い未来として明確だからかもしれません。
次男の高校では提出物の期限を守れないとき、忘れたことをただ叱るのではなく「職員室に出向き、謝罪の上でなぜ提出に至らなかったかを説明し、今後どう対応するかの申し開きをする」という指導が全体に対してなされているそうです。
「仕事を始めたときにこれができないと困るから」と仰っていました。なるほど納得です。
本人にとってはとても面倒なステップかもしれませんが、やる意義が見いだせないことに取り組みづらい特性を持つ次男にとっては、この丁寧な説明と実戦は社会参加のための重要な訓練だなぁと感じています。
1ヶ月かけて見えてきた、色々な課題
さてそんな素敵な話し合いを経てそこから次男くんの高校生活が順風満帆に進み始めたか、といえばそんなことはありません。
そこから1ヶ月、本当に何度も何度も先生方と電話でやりとりしたり、体調を崩したと言ってお迎え要請が来たり。
(迎えに行ってゆっくり話してみたらキャパオーバーでした)
彼がかなりキャパオーバーを起こしている様子は私にも見えていたし、担任の先生も感じていたようです。
このまま学校に来ることが辛くなってしまわないように、できることをやっていこう、と昨日もお電話で話しました。
現段階で見えてきている困難は
- 板書ができていない部分がある
- 教科書など学習に必要なものの忘れ物が多い
- 授業中ぼんやりしていることがある
- 課題の提出が滞りがち
などで、板書の困難は支給されているタブレットを活用することはできないか、と担任と話を進めています。
また、授業中ぼんやりしていることがあるのは教科書を忘れたりしているのも要因の一つのようなので、持ち物の整理を見直すような段取りを家庭で進めているところです。
具体的には、登校用のカバンを当初用意したものから別のものに変えようか、と検討しています。
課題の提出に関しては、教科担当の先生方が居残りで取り組むのを手伝ってくれているようなので、当面はそれを進めながら自宅で取り組むには、という方向を模索していくべく相談をしているところです。
おわりに
彼の1ヶ月を振り返りながら、入学式の後のお話で特別支援コーディネーターの先生から「1学期の間に、彼にどんな配慮が必要かを詰めていきましょう」と言われていたのを思い出しています。
そのときはそんなにかかっちゃうか〜と思っていたのですが、確かにスタートしてみないと見えてこないものが本当にたくさんありました。
これは発達障害特有のものなのかもしれないのですが、「この配慮が必要です」と言い切れない難しさがあるんですよね。
私が「彼はこうだからこうしてください」と言ったとして、現場で本当にそれが必要なのかも、それをやっていただいたら彼に目に見える効果があるかも、本当に未知数なのです。
踏み込んでみるまで、過ごしてみるまで、やってみるまでわからない。
彼と15年一緒に暮らしている私にも、1ヶ月漫然と様子を見ながら過ごしてみないと取り組めなかったことがたくさんあります。
露呈してしまえば「いやそんなの最初からわかってたじゃん」というようなこともたくさんあるのです。課題の提出の難しさや忘れ物のこととかね。
でも「新しい環境で本人がどの程度できるのか(またはできないのか)」というのも、走り出してみないとわからなかったのが本当のところなんだろうな、と思っています。
1ヶ月目で見えてきた課題にチームで取り組んでいく2ヶ月目が、始まろうとしています。