前回、自分一人で観てきた映画「この世界の片隅に」を、満を辞して子供たちと観てきた記録です。
前回の感想文はこちら。
誰を連れて行こう
まず、悩んだのはここです。
映画を観た時に、どこまで子供たちが理解できるのか、どう受け止めるのか、がとても気になりました。
これまで子供たちが触れてきた子供向けの娯楽映画とは全く違っている作品、単純に「面白かった」で終わる内容ではないだけに、とても悩ましい問題でした。
小6と小5の息子たちは第二次世界大戦や原爆についての知識も多少ある。
小3の娘は学校で触れた程度、まだ園児の末っ子はちょっと難しそう。
観せようかやめようか、観せるなら誰に観せようか。
一人で悩んでも答えが出なかったので、家族会議。
その結果、上3人を連れていくことに決めました。
- アニメだけれど子供向けの面白い作品ではないということ
- 戦争についてのものだということ
- 私がどうしても映画にしてほしくて協力した作品を君たちにも観て欲しいから連れていきたいということ
を事前に告げて。
それぞれの視点とそれぞれの感想
3人とも、終始じっと画面に食い入っていました。
長く映画館にいるのが初めてだった娘も「2時間あっという間だった」との感想。
長男は爆撃の様子や爆弾の種類に興味を持ったようでした。
次男は広島市や呉の地形に興味を持っていたようなので、後日ネットで解説されていた古い地図や埋め立ての様子について一緒に見ながら映画の中を一緒に思い返しました。
娘はすずちゃんや晴美さんの洋服や生活ぶりなど身の回りのことをよく見ていたようです。
子供に観せるかを躊躇した理由
「あー面白かったね!」って終わる映画では決してなかったのです。
それが、子供たちに今観せるべきかどうかを躊躇した一番の理由でした。
これまでうちの子供たちにとっての映画は、子供向けの楽しい内容のものがほとんど。
なので彼らのイメージの中で「映画=わかりやすく面白いもの」というのが形作られているのではないかな、と思っていたこと。
そして、戦争というものへの知識の乏しさが躊躇のもう一つの理由。
私が「この世界の片隅に」の漫画を初めて読んだ時の衝撃の最たるものは「これまでに知っていた戦争ものとはぜんぜん違う」ということ。
戦争の中でも当たり前に笑ったり泣いたりしていた人たちがいたのだという、当たり前すぎて見えていなかったことを突きつけられた、そんな衝撃でした。
それについてはこちらで。
私がこれまで知っている知識、人から聞いたこと、見て(観て)きたこと、読んできたこと、それがあっての、その衝撃だったし、理解できた細部もある。
じゃあそれがない子供たちはどう受け止めるんだろう、どう理解するんだろうという不安がありました。
話し合った結果で、最初の理由については「娯楽映画とはちょっと違う」という説明でカバー、次の理由についてはまだうまく消化できないまま「でも観にいきたい」という3人の意志を汲んでの決定でした。
観てから、これから
同じ映画を観てそれぞれの感想を抱いたように、これから先も子供たちそれぞれが色々な知識や経験からまたあのすずさんのいた世界を振り返ることがあるのだろうなと思います。
我が家には他にも戦争についての漫画や書籍はあるけれど今は子供たちのいるスペースには置いていないので、共有の本棚にそれを置いてみようかなと計画中です。
子供たちと地図を見ながら一緒に広島の地形を確認して楽しい時間を過ごしたように、これからも子供たちがそれぞれに感じたり考えたりすることに少しお付き合いできたらいいなぁと思っています。
おまけ
子供たちに触発されて実家の母もお友達を誘って観に行くそうです。
じわりじわりと周囲にも広がっていて、一人ニヤニヤしています。