スズコ、考える。

ぼちぼち働く4児のははです。

まきりえこさん著「夫が骨肉腫になりました」を読みました。


少し前に買っていたのだけど、内容が重いのかなと気になってなかなかゆっくり手に取れずにいた、まきりえこさんのコミック「夫が骨肉腫になりました」をやっと読めました。

 

まきさんといえば私も参加させて頂いた「#アホ男子母死亡かるた」書籍化の際にあの母さんたちの叫びの数々に絶妙なイラストを描いて下さったイラストレーターさん。そのまきさんのご主人の闘病記です。

 

以前のプロチチのときもそうでしたが書評というものを書くことに長けているわけではないので今回もブログに書いていいものかと悩んだのですが、やはり感想は書き残しておきたいなと。

 

夫が骨肉腫になりました

夫が骨肉腫になりました

 

 

骨肉腫という病気、本の中でも詳しく紹介をされていますが比較的若年層の病気のようで40代のご主人クロとらさんは前例があまりなく手探りの状態で治療が勧められている様子が描かれています。書籍の中では、病気のこと、医療費のことや相談先などところどころ丁寧に註釈が添えられていて、まきさんがご主人の治療に際してたくさんの配慮をされてきたことが伺えます。

 

一冊のなかに込められたたくさんの不安。病気のことだけでなくお金のこと、子どものこと、周囲からの支え、そして自分自身のメンタルのこと…

家族の1人が病に倒れることでこんなに周りが大きく影響を受けるということ、過去に自分も家族の入院や闘病を経験したこともあるのだけど、そのときには慌ただしく過ごして忘れてしまっていた色々な感情や苦労を思い出すと同時に、日頃気をつけておきたいことを改めて考えさせられた気がします。

 

この本を通して一番強く感じ、そして深く感銘を受けたこと、それはまきさんご自身の内省の素晴らしさでした。

配偶者の病気という、どん底の精神状態や金銭的に困っている状態、そこで感じた自分の感情や状況をその場で終わりにせずにあとから冷静に振り返っていらっしゃるその姿勢。

日頃Twitterでやりとりさせて頂いているときにも感じるまきさんご自身の強さ、ビシッと筋が通っている力強さをこの本からも感じました。

 

精神的に弱っているときに周りの人に対して丁寧に接する余裕が無くなることも、協力者に対しても疑心暗鬼になってしまうこともある、それを誰も悪者にせず、誰の印象も悪くせず、それぞれの事情を丁寧に取り扱って描いている、その視野の広さ、振り返る力、洞察力、思考の深さ、どれも見習いたい、私もそうありたいと思わせる逞しさ、力強さでした。

 

家族が重い病気で倒れたときに私はこんな強い母で居られるだろうか、こんなに冷静に状況を乗り越えていけるだろうか、と自分に問いながら読みすすめたあとのエピローグの優しい穏やかな言葉。読み終えて数日、夫と生きていく日常が、少しだけ穏やかに変わったような気がしています、少しだけですが(笑)

 

読んでみて気に入った本は夫の目に付くようトイレの中の本棚にそっと置いておく習癖のある私でありますが、今回も何度か読み返したあとにそうなりそうな予感です。

 

 これも気になってます、まきさんの新刊。

園児のトリセツ

園児のトリセツ

 

おまけ。

無事3刷が出ております、#アホ男子母死亡かるた

#アホ男子母死亡かるた

#アホ男子母死亡かるた

 

 

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