4月から中学生になった長男。
朝食の食器をキッチンに運んだら、自室へ。
居間でテレビを見ながらダラダラ過ごしていた小学生3人がランドセルを背負ってワラワラと家からいなくなる頃、学ラン姿で静かに部屋から姿を見せて、嵐が去った後の散らかった居間をすっと通り抜け、「行ってきまーす」と低い小さな声。
午前中の仕事がひと段落したところでふと目に留まって読んだ村井さんのエッセイ。
読みながら、長男のことを思う。
1歳半でお兄ちゃんと呼ばれる立場になって、
6歳ですでに3人の弟妹がいた長男。
下の子たちのお世話に翻弄される中で一番甘えたかった時期に多分全然甘えられなかっただろう彼が、やっぱり私が弟妹のお世話にあたふたしているうちにあっという間に中学生になってしまっていた。
仕事用のPCデスクの前に貼っている子供たちの写真の数々。
幼稚園の運動会で張り切る長男の姿は私が気に入っているもののひとつ。
写真の中の長男の姿。
私の腕に抱かれていた小さな彼が
もみじのような小さな手を繋いで一緒に園まで歩いていた可愛かった彼が
運動会で「転んでも泣かないよ」と一生懸命走っていた彼が
気づけば自分と肩を並べるほど大きくなってしまっていて。
小さな長男の写真の隣には、小学校最後のサッカーの試合で撮った姿。
それは我ながらよく撮れた一枚で、ユニフォーム姿で芝の上に立つ彼は高校生の頃の(当時は痩せていてかっこよかった)夫を思い起こさせるようなスラリとした立ち姿。
玄関に並んだスニーカーはいつの間にか私の靴よりも大きく、
並べて干したズボンの股下はよく見ると私のものよりも長い(悔しい)。
あぁ、もう立派なお兄さんになったんだなぁ。
目の前にひたひたと迫る思春期。
おそらくはこれまでとは違う形になっていくであろう長男との関係。
私も、親として新しいステージに入ったんだなぁと、寂しいような、ちょっとワクワクするような、不思議な気持ちになる春です。