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スズコ、考える。

ぼちぼち働く4児のははです。

液体ミルクの署名活動と、ふたつの懸念。


2014.11.20内容一部修正しました。

するめさんがご自身のブログの整理をされていらっしゃったのでこちらもリンクを修正しますね。

するめさんが書かれた乳児用液体粉ミルクについてのエントリが当初流れて来て、それに対する内容としてこのエントリを書きました。

 

私が書いた当初に貼っていたリンク先はこちらです。

わたしたちにできること - するめブログ

現在は、最初私が読んだエントリの内容を修正されています。

(詳細はするめさんの上記エントリに記載されています。)

 

私がこのエントリの中で「するめさんのブログ」として引用や意見を述べている元の記事は別ブログとしてこちらに移動してくださっています。


2014-11-19 - urasurume

 

以下、元の記事に対して書いた内容をそのまま残します。

 

するめさんのエントリを通して、液体ミルクに関する署名活動を行っている方がいらっしゃることを知りました。

私自身は粉ミルクはあまり使わなかったのですが、あると楽になる方もいらっしゃるのだろうなと思うので周知のお役に立てればと思いここに署名活動を行っているサイトへのリンクをはっておきますね。興味がおありのかたは是非。

キャンペーン · 外出にも備蓄にも便利な乳児用液体ミルクを、日本でも販売してほしい!Change.orgで署名に参加 · Change.org

 

この署名活動に言及されていたするめさんのエントリを読んだあと、それについて考えながら湧いてきた懸念が2つあります。

一つ目は、ネット上でもこれまで何度も展開されてきている保育園幼稚園論争やワーママVS専業主婦ママの戦いに似た「ミルクと母乳」論争に発展しないかなということ。

そして二つ目は、女性の権利を感情的に求めるあまりに反感を呼んでしまわないかということ。

 

まず、前者から。

私は基本的には、母乳もミルクもそれぞれのメリットもデメリットもあるものだと思うし、どっちでなくてはならないという種類の物ではないと思っています。よく母乳の子の方が免疫力がとか健康にとか言うけど、完全母乳で育った病弱な夫と完全ミルクで育った健康体の私、そんなもん迷信だと思っています。

が、どっちかが優れてると言いたい方が時折いるんですよね。そこで面倒なことが起こる。

 

私は、どっちかが良いと自分で考えてそれを実行する事、それを表明する事については問題があるとは思いません。

先日のさっこさんのエントリ子供を育てる自分に酔う人 - 仕事は母ちゃんでも触れられていたことなのですが、良いと思うことが行き過ぎて陶酔する感じになる方は時折私も見かけるし、自分の身にも覚えが有ります。

何かしらのしんどさを抱えてそれをモチベーションにして耐えざるをえないこともあるのかな、まぁ今となってはそんなときにはそこに溺れずに楽になる方法を模索した方が良いんじゃないのかなと言いたくなるのですが、当事者として浸かってる間はなかなかすんなりそういう方向へ行くのが難しいこともあるのかなとは思います。

そしてさっこさんも仰るように、そういう種類の表明を自慢だと受け取ってしんどくなる種類の方もまた、そこにトラウマが有るのかなと私も思います。

 

 

今回私が懸念しているのは、そこから、一線を越えた主張に転ずるケース。

自分がそうしたくてしている、というところから敷居を踏み越えて「私が良いと思うこれをあなたも是非取り入れるべき」という主張をしはじめる方が出てくると、そこから面倒な事になる印象が有ります。

この、良いと思うものを勧める行動は相反する(ように見える)ものを否定することに転じていきやすい。

専業主婦の存在意義を主張する為にワーキングマザーのデメリットを強調するのと同じように、母乳育児の優位性を主張する為にミルクのマイナス面をより強調すること、またはその逆のことが起こってしまう。

 

こんな風に心配になってしまうのは、ちょうと時を同じくして森戸やすみさんの母乳神話とデマ|jasmin jasmin 女医の子育て。というブログやそれについてのツイートまとめが流れて来たからかもしれません。

 

どっちが良いとか悪いとか、そういう話ではないのですよね。

 

どっちの良さも悪いさもいろいろ調べたり考えたり相談したりしながらその子やその家庭にとってのベストを見つけて行けば良いだけで、それを周りがどうしろとかどうすべきとかどうしないと困るとかどっちかを選ばないと絶対こうなるとかを押し付ける必要は無いわけで。

 

母乳神話とか母乳信仰とか呼ばれてしまっている、母乳を過度に持ち上げ押し付ける現象が和らいで行けばいいなと思うと同時に、それが逆転してミルク育児を過度に持ち上げるための道具にならないといいな、それが液体ミルクの推進と変な形で繋がらないといいなと思います。

そうなるとシーソーゲームになるだけのような気がするので。(現に今の母乳過信は過去のミルク過信の反動のような気も…)

 

 

つぎに後者の、女性の権利を感情的に求めるあまりに反感を呼んでしまわないかということについて考えます。

 

するめさんのエントリからの引用ですが

じゃあ市場を作るしかない。それを阻んでいるもの→なんで母親たちが欲しいと言う発想にならないのか?→知らないってだけなのかなぁ???苦労するべきって思ってないかなぁ???あの、手間のかかる調乳が母親には必要ってところ、ない???

 

そして、母親になるとイヤと言うほどの洗礼を受ける世の風潮に想いを馳せます。やっぱりあいつのせいじゃないか。と言うわけで登場する、この人たち↓のせいで、この国では、「育児バンバン楽にしちゃお~☆」と言う商品が生まれないのでは?これ別に『国』とか『政府』のせいにしてません。自分たちがこれを崩す新しい価値観を持てていないってことです。

 

 

普通分娩で痛みを味わないと母親になれない。

完全母乳で育てないと子供に愛情が伝わらない。

できる限り家庭保育で母親べったりで育てるべき。

 

母親とは、子供のために苦労するのが素晴らしい!!!!!

 

そんな理由なのかなんなのか、海外では当たり前に売られているという液体ミルク(粉ミルクみたいに溶かしたり冷ましたりせず、そのまま与えられる乳児用ミルク)が日本では全くない。なんでなんだろう?

 

問題提起されたするめさんの行動には共感するので私もなにか出来る事はしたいと思いました。でも同時に、これを繋げちゃうと弊害が大きくないかな、と心配になりました。

ドラッグストアに行くと紙オムツが壁一面を占め、レトルトのベビーフードががんがん開発されているこの国で、液体ミルクが「母親に楽をさせないために開発・認可されていない」とは考えにくくないかな、と思います。

ざっくりググった感じですが、認可に繋がらないのは「ニーズがはっきりしてない」ことが大きいような印象を受けました。上にリンクを貼った署名活動のサイトでも主催の方のコメントとして

妊娠中に調べたところ、欧米では普及している液体ミルクが日本には無い事を知りました。 とても便利で、災害時の備えにもなる液体ミルクを、日本でも気軽に買えるようになってほしい!

そのためのハードルは主に二つ:行政の認可、そして国内メーカーの製造ライン確立、です。

しかしどちらに働きかけるにも、ニーズがどれくらいあるかを示す客観的な数字が必要だと思い、このたびchange.orgを通じて賛同してくださるかたを募集します。

と書かれています。

ニーズがあれば、企業は恐らく動きます。売れるから。日本製の液体ミルクが本当に必要とされているのなら、販売されれば売れるのなら、本腰を入れる企業は必ず出てくるでしょう。液体ミルクの認可の為に必要なのはその一点に尽きるのではないかと思うのです。

 

するめさんの書かれているような、普通分娩や母乳育児を声高に推奨する種類の気持ち悪い人たちは確かに存在します。私はこういう種類のヒトは病んでると思ってるので「うるせえほっとけ」と思ってスルーします。いやスルーできない関係の方に言われると厄介では有るし、そういう方の存在(主に近親者)に悩まされている方も多くいらっしゃるのだろうと思います。

 

でもその問題は、上にも書いたように液体ミルクのニーズが高まることとは無関係です。

 

そこをあえて繋げてしまうことで母親(女性)は感情的で非論理的でその主張は取るに足らない思慮の足りない物だ、という印象に繋がりそうで、その弊害が液体ミルクのニーズを求める声をかえって妨げないかなと心配になったのです。

 

私は、感情では他人を動かせないと思っています。

個人間なら影響は有るかもしれないけど、少なくともたくさんの人やお金は動かせない。

 

冷静に液体ミルクのニーズを主張すること、そこで利益を生めることを示す事が出来るなら、母親の精神論云々は無関係に販売は始まりメリットは享受出来る。

 

フェミニストとして女性蔑視の現状と闘うことの必要性を私は否定しません。

自分自身、旧態依然の田舎に居て日々それと闘う日々であるのも事実です。

でも闘い方は、真っ向勝負だけが術ではないはずです。

 

真っ向勝負をする必要が有る事も有れば、違うアクセスから勝ちを得ることも時には必要だと思う。

 

私は、液体ミルクで楽になる方が増えれば良いと思うと同時に、「これはミソジニストや母親根性論者と真っ向から闘って勝ち取る必要があることではない」とも思うのです。

そうやって敵を無駄に増やすことが活動の弊害になりかねないなと、杞憂だといいのですが。

 

するめさんのエントリをきっかけに改めて考えることができた液体ミルクのニーズのことが、途絶えずにさらに色々なところで前向きに議論され、日本での販売への足がかりになればいいなと願っています。

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