スズコ、考える。

ぼちぼち働く4児のははです。

アレルギーと戦う人を無知ゆえに傷つける人が許せないのです。


ここ数日、アレルギーの話題で紛糾するTLを眺めておりました。

 

どうも発端はここらしいです。

蕎麦アレルギーだった私が今蕎麦が大好きな理由。|河村直子オフィシャルブログ「理想の自分と出逢う旅」Powered by Ameba

 

いやはや。

 

そりゃ紛糾もするよね、という内容なのですが、そこで荒れるいろんな声を眺めながらふと思い出したことをツイートしたらとてもたくさんRTされていたので、あぁ関心をもつ方も多いのかなと思ったので書き起こしてみます。

 

そのツイートは、これ。

 

当時、我が家の末っ子は生後5ヶ月でした。

乳児湿疹と思われるものがなかなか治らず、生後2ヶ月くらいから顔中真っ赤にただれた状態が続きました。上の子たちも通っていた地元の皮膚科に通ってステロイドの入っていない薬がしばらく出て、その医師の指導で授乳中の私もアレルゲンと思われる牛乳や卵や市販のお菓子などを控える生活を続けていたのですがなかなか改善せず。

その医師から、アレルギーの検査を一度した方が良いかもと提案を受け、色々と調べているところに通える範囲内の総合病院に小児アレルギーの専門医が医大から来て専門外来をしていると聞いたのでそこを受診してみることにしました。

 

血液検査をしてもらって、2週間後に結果が出るので聞きに来てください、とのこと。

 

そして2週間後、上の子たちが学校や幼稚園に行っている時間、「診察結果を聞いてからこれを避けろとかのアドバイスがあるのかな~」という軽い気持ちで受診した私を待っていたのは「即入院」という現実でした。

 

血液中の栄養状態がとにかく悪い、色々な病気の可能性が考えられるから今すぐ医大で精密検査をした方がよい、今は元気そうに見えてもいつ痙攣を起こしてもおかしくない検査結果が出ている、という医師の言葉に私はただわけが分からず赤ん坊抱えて真っ白。

医師からはすぐに医大に連絡するからいつ頃着ける?入院準備に帰ってからすぐ向かって、と言われ、パニック状態で夫に電話。夫が双方の実家に連絡して上の子たちの世話を手配してくれている間に私は帰宅して末っ子の入院準備(付き添いの自分の分も)と上の子たちの通学通園に関することを実家にお願いして、夫と末っ子と3人で遠方の医大病院まで向かいました。

 

高速に乗っての2時間あまりの道中、ただただ涙が止まらなかったのは覚えています。何がどうなるのかも分からない、わが子が死ぬかもしれないという恐怖もあったと思うし、上の子たちに会えないまま家を出なくてはならなかったこと、まだ入学したての長男のフォローも必要な時期でした。

 

今冷静に考えると、医師は最悪のケースをまず言うのだろうなと、そう思います。

私が提示されたのも恐らくそうで、検査結果から想定される最悪のパターンが並べられただけだったのかもしれませんが、わけもわからずその最悪のケースを想像しては怖くて泣いてしまっていました。

 

入院して最初の診察で医師から言われたことは「お母さん、授乳の為にとにかく何でもいいからたくさん食べてください」でした。私がアレルゲンを避けて過敏になりすぎていたことをまず指摘され、それによる栄養不足とそこからくる免疫低下を補うためです。

 

病院についてから半月くらいの入院生活で、いくつもの検査を受け、アレルギーの状態に合わせた食事や栄養の指導を受けました。小児アレルギーの権威といわれる先生に担当してもらえたこともあり、私もアレルギーに関する新しいことを色々と教えてもらえました。

食物アレルギーがある=完全除去、と思っていたのですが、過度の食事制限による栄養不足が原因と思われる学習障害や運動能力障害も問題視されているらしく、最近の傾向としてはショック症状を起こさない程度のアレルギーなら完全除去はあまりしないことや、飲み薬や塗り薬をうまく併用しながら低栄養にならないよう管理していく必要があることなど教えてもらいました。

 ※補足ですが、完全除去を避けるための減感療法や食べられるか確かめるための負荷試験などは医師の立ち会いや知識ある保護者の管理の上で行われることです。うちの子も何度も負荷試験(ごく少量食べてみて変化を確かめるテスト)を受けてきましたが、それは入院中や病院で医師立ち会いの元です。素人判断で食べさせて反応を見るのは危険なのでNGです。また、食べさせることが出来るものも投薬や通院が出来ているからでもあり、その辺に関しても素人判断でどうこうできるものではありません。少なくとも私/お勧めしません。

少しずつ食べさせていく減感療法は賛否ある治療法ですし、これも医師の立ち会いや入院での治療行われている、医師なしでの判断は危険を伴う療法です。

検査を繰り返した結果、末っ子はマルチアレルギーの可能性による栄養不足だったと思われ、他の病気の可能性は否定され退院となり、皮膚症状を抑える薬を毎日服用することと、定期的な血液検査によるアレルギー値や栄養状態をチェックすることになりました。

 

上のツイートで書いた薬剤師さんとの会話は、その頃のことです。

 

退院後に月1くらいで通院していた時期。

アレルギーのお薬と分かるものを処方してもらった調剤薬局で、年配の薬剤師さんから「アレルギーは甘えだからね。構いすぎてると出やすくなるからね。最近は多いでしょ、子どもを構いすぎてるんだよ。甘やかしすぎないように、親が毅然として突き放してあげないとね」というような趣旨のことを20分くらい延々と語られまして。

 

これね。

私は4人目の子でメンタル的にもかなり図太くなっていたし、病院やネットで色んな知識を得ていたからそれがトンデモなことも分かってたんですよ。それでも医療関係者がこんなこと言うのか…って目が点になってビックリしつつ話を切り上げて帰ってきたんですね。

でももしメンタルが弱ってるときだったら、初産だったら、周りからアレルギーのこととかで責められてしんどい時期だったら、って考えたら、耐えられたかなって正直思います。

 

皮膚症状が出て顔中真っ赤な子を連れ歩いてたら、それだけで周りの目も気になるし、いろんなこと言う人がいるわけです。

子どもがそれで辛そうなのは養育してる母親として痛いほど分かってるのに「あら~かわいそうに」「母乳なの?」とか言われるわけですよ。その言葉の一つ一つが「あら~かわいそうに(こんな状態でほっとかれて)」「母乳なの?(その成分に問題あるんじゃないの)」ってカッコの中を思い浮かべて余計辛くなったりもするし、そのカッコの中を直球で言う人もいる。

 

ただでさえ胃が痛い状態で生活してるところに医療従事者からこんなこと言われたら、それはそれは辛かろうなと。

 

うちの子はたまたまアナフィラキシーを起こすほどの症状は出ないと分かったのですが、通院で出会ったお子さんやフォロワーさんたちの中には重症の子もいます。

話題になったエピペンを所持している子も、学校とそのための協議をしている方もいます。そういう人たちは総じて、日頃から無知による危険に晒されています。

 

このエントリで最初に紹介したブログを見た人が、蕎麦アレルギーだってちゃんとケアすれば治るんでしょ、甘えじゃん、とか言い始めたら…と思うと恐ろしいです。

 

アレルギーを持ってる子を育てること、それは日頃の除去食や環境の整備等本人のケアだけでも健常児と比べると相当に重労働です。

それに加えて世間の目、無知による心無い言葉に傷つけられている現状を見ると悲しくなります。

一人でも多くの方に、アレルギーは気のせい、甘え、治る、等の知識が間違っていることを知ってもらえれば良いな、と願って止みません。

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