ご無沙汰しております。
今日はTLに流れてきたこんなのから。
受刑者の描いた絵、という記事
こんな記事を見かけまして。
この中でとても気になった部分があったので引用します。
―― 「受刑者の描いた絵のレベルが高い」と話題になっていますが、画力を上げるためにどのような指導を行ったのでしょうか。
渋谷巧: 「1本の線に集中し丁寧に描く、引き初めも終わりもきちんと描く、その積み重ねです」「線は光が当たるとこ、そうでないところ、下など影になるところなど3~4種類の太さで描いてください。意識して飛ばした線と雑に描いて飛んだ線は別物ですよ」最初に指導することはそんなところです。後は根気よく描きつづけてもらうのが大事です。
受刑者の方が最初から絵の才能があったという話ではなくて、具体的に丁寧な指導をした上で描き続けられる環境を整え根気強く付き合っていく姿勢があったからこそ出来上がっているわけで。
これを見てふと思い出したことがあるんですね、小学生の体育の授業です。
「運動が苦手」なうちの子たち
我が家の4人の子供のうち、2人ほど極端に運動が苦手な子がいます。
園児の頃からかけっこも遅め、今も体育の成績はあまりよくありません。
この子たちを「運動神経が悪い」と言い切ってしまえばそれまでなんですが、観察しているとどうもそうではない、腕の動かし方はこう、足の動きはこう、と一つずつシステマチックに指導して練習を繰り返したらそれなりのフォームで走れるようになって、それなりの速さで走るようにはなったんですね、あぁあ教え方だよなぁと。
参考までに、その時使った本がこちら。
「すイエんサー」と娘
娘が最近よく見てるのが、NHKの「すイエんサー」という番組。
その日によってネタは様々ですが、科学っぽいことや体育っぽいこと、視聴者から寄せられた悩みや疑問を元に女の子たちがいろんな実験をしていく番組です。
娘にとっての神回になったのが、ちょうど学校のプールが始まる時期に放送されていた水泳のシリーズ。
ブログでも内容がすごく丁寧に描かれてました、すごい。
どうしても息つぎができない、沈んでいってしまうと悩んでいた娘、この番組の内容と、先生からの「頭のこの辺が水面につくところまで顔を上げます」という具体的な指導を受けてそれまで数メートルしかできなかったクロールで突然25メートル泳げるようになったととても喜んでいました。
この後にも平泳ぎのコツ、ドッヂボールの投げ方のコツなど、うちの子たちが苦手としていたことを細かく解説してくれる回が続き、娘は録画して楽しみに毎回見ています。(トリックアートなど絵の描き方の回もありました、それもおもしろかった!)
できるできないと、教え方・教える環境。
投げ方、走り方、息つぎの仕方…
運動神経がいい、とされている子たちは多分、これをひとつずつ教わる必要がないんじゃないかな、と思ったりしています。
感覚的に自分でつかんでいたり、誰かのを見てパッと真似ができていたり。
でもうちの子たちのようなそれが苦手なタイプの子たちはそれだけでは掴めない。
結果、運動が苦手、自分は運動神経が悪いから、と思ってしまっているようです。
前述のエントリで書いたように、私自身もそんな子でした。
でも技術を細分化してわかりやすく指導してもらったことはできる。
それは私も子供も同じ。
- 安心して取り組める環境を整える
- ひとつひとつの動きを細分化して伝える
- 細分化されたステップを順にこなしていくのを根気強く見守る
受刑者の方の画力が上達した経緯やうちの子たちが苦手な運動ができるようになっていく様子を観察していて気づいたのはこんなこと。
できないと叱られたり、バカにされたり、どうしていいかわからないのに放置されたり…そんな安心できない環境では取り組み続けることは難しい。
学校の教育の中ではこんな風にしてもらえているのか
こんな風に指導できるところで習い事をさせているか
自分は家で子供を見守る時にこれができているのか
何かを誰かに指導するときにこれを意識できているのか
そして、それが可能になるようないろんな余裕を自分や指導する立場の人が持てているのか、誰がそこを下支えするのか、最初の記事を読んで、改めてそんなことを考えています。