スズコ、考える。

ぼちぼち働く4児のははです。

葉加瀬太郎氏と「天才バカボン」から教えてもらったこと。


突然ですが私は牛肉を焼くのが結構上手いと思っています。フライパンで、片面カリッと中はほんのり赤く焼き上げます。夫と私の好物、子どもたちも大好き、お給料日あとの、たまの贅沢に買って来てはせっせと焼きます。

 

お肉は焼く少し前に冷蔵庫から出しておいて、焼く直前に塩こしょう。熱したフライパンにそっとのせます。ここで、ついお箸やトングで触りたくなる…ところに脳内で葉加瀬太郎先生が叫びます「まだ!肉が!汗をかくまで!」

 

そして先生の教えに従い肉を触らず待ちます、肉の表面にじわっと赤い、汗をかくまで。

 

じんわりと表面に肉の水分が出て来たらそこでひっくり返す、そして数秒でフライパンからあげて、ちょっと置いてから切る。

 

この焼き方が肉業界でどの程度正解なのか私には解りません、が自分の中では今の所こうやって焼いたときが一番美味しいし家族にも好評なので我が家のスタンダードになっています。

 

この焼き方を私に教えてくれたのは、母でもなく家庭科の先生でもテレビのお料理教室でもない、バラエティ番組に出ていたバイオリニストのあの方でした。はるか昔、もうタイトルも他の出演者も思い出せないのだけど、何気なく観ていたテレビ番組の中で肉を焼こうとする別の出演者に「肉は汗をかくまでは触らない!」と熱弁していた葉加瀬さん、その声が今も牛肉を焼くたび思い出されるのです。

 

同じように何かするたびに思い起こす師がもう一人居ます。

毎日何個も洗うグラス、洗うたびに「ぬれたコップを布で拭くと糸くずが付くから熱いお湯で洗ってからそのまま乾かす」と私に教えてくれた師、バカボンのパパの御学友。(名前は忘れました)

 

何故か昔、父が酔っぱらって勝手帰ってきた漫画「天才バカボン傑作選」のなかの一作、バカ田大学時代の学友がパパを尋ねて来て、グラスを洗うママにそう助言するシーンがありまして。

 

それを読んで以来、グラスを洗うたびに同じように脳内で「糸くずがつくからお湯で…」とバカ田大学出身のあの人がささやくのです。

 

どちらも、私の日常生活の中でよく使うスキル。それを教えてくれたのは親や周りの大人ではありませんでした。よく思い返すのはこの2つなんだけど、他にも洗濯物の干し方だとか日常のちょっとしたこと、漫画や小説、テレビ番組、友達との会話の中等々、色んな場面で得た知識は私の日常の家事育児の効率を良くしたり楽しくしたりするための大事な要素になっています。

 

そうやって思い返してみると、日頃子どもたちと接しながら「これは必要な知識だから教えたい…」と思うことのほとんどは私が親からわざわざ教わってきたことではなくて、何かや誰かからじわじわと得たことばかりで。

 

なんだ、教えなくてもいいのかな、と最近思うのです。

時々すごく焦るんですね、友達が子連れで海外旅行行ったとか、何か習わせてるとか、塾でこんな勉強してるとか、こんな経験させてる的なことをあちこちで目にすると焦るんです、うちの子にもさせてあげないといけないんじゃないか、出遅れちゃうんじゃないか、経験が知識が足りないんじゃないか、ってそわそわしてしまう。

 

でも私が親以外から得た知識の方が沢山ある中で生きているように、子どもたちも恐らくは私から直接得た知識以上のものを得てそれぞれの人生を生きていく、それでいいのかもしれない、私があたふたしなくても良いのかもしれない。

 

私にとっての葉加瀬太郎氏やバカ田大学のあの人みたいに、人生のところどころで印象的な知識をぽろっと与えてくれる人たちに子どもたちが出会うのかなと思うとなんだか面白いなぁと、なんだかんだで1ヶ月ほっといたブログの久しぶりのエントリは、そんな雑感でした。

 

 

天才バカボンBOX 1~7(7点7冊セット) (竹書房文庫)

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 父から買ってもらったあの傑作選みたいな本は見当たらなくなっちゃって、amazonでも見つからないんだけどまたどっかで出会える日がくるのかな〜。来るといいな。

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