本のレビューブログを1日に2本も書くとか私頑張りすぎちゃうかと思う今日このごろ。
2冊目はこちらの、小さいお子さん向けひらがなドリルです。
8ミリくらいの厚さで、中の紙はお子さんが自分で鉛筆で書けるよう鉛筆の滑りのいい紙が使われています。
とりあえず動画見ろ
著者の立石美津子さん、この本では「ひらがな指導のカリスマ」という肩書きを使われていますが、発達障害界隈では「テキトー母さん」のお名前や書籍の方がよく目にされているかもしれません。
私、お名前で検索したら出てくると思うんですが手をお腹の前で重ねた紺色のワンピースを着ている立石さんの写真しか存じ上げなかったので、届いて最初に表紙のはっちゃけた様子を見、また動画のハイテンションな立石さんのお姿を見てしばし脳がフリーズしてしまいました…それくらい、印象つよつよです…
この印象つよつよで踊り狂いながらひらがなの書き方を教える派手なおばさんに子どもたちが食い付かないわけないよね…って感じです。
大事だなと思った「おうちの方へのお願い」
開いてまずいいなと思ったのが、説明のなかの「おうちの方へのお願い」というページです。
字がうまくなる三か条として
1、正しい鉛筆の持ち方をマスターさせる
2、赤ペンで添削しない。
3、「きれいに書きなさい」と言わない。
という3つの項目が書かれています。
この3つ、私も硬筆を教えるときに気をつけていることです。
1はもちろん大事ですが、2と3は親がついやってしまいがちなことじゃないでしょうか。
ダメな例として赤ペンでバツをたくさん書かれた添削例の画像が載っています。
添削をしたり消しゴムで消して書き直しをさせたりせず、本人の書いた文字の中で一番良い文字を思いきり褒めることを勧められています。
また、「きれいに」「ていねいに」「ちゃんと」のような曖昧な言葉を使わず、具体的な言葉で伝えることを勧められています。どんな言葉を使えば子供たちが理解しやすいかを実際に動画で見ることができるので、子供の理解だけでなく大人の対応の仕方を学ぶ意味でも役に立てられるんじゃないかなぁと思います。
「ただしいしせい」や「えんぴつのもちかた」図解
次にいいなぁと思ったのは、ページを大きく割いて描かれている「字を書く時の正しい姿勢」と「鉛筆の持ち方」のイラストですね。
説明ページには漢字が多用されているのに対して、この図解の部分は子供が自分で見られるよう、ひらがなで書かれているのもポイントだろうなと思います。
子供が自分で正しい姿勢が取れているかをスマホで撮影したり鏡に写したりするのもいいんじゃないかな、と思いました。
50音順でなく覚えやすさの順に
もくじに書かれていますが、46種類のひらがなをあいうえお順ではなく書きやすさを基準にして7つのグループに分けて紹介されています。
最も簡単なグループの最初の1文字は「し」
一番難しいグループは「や」「ゆ」「す」「せ」「む」「を」の6文字。
最終グループはなるほど確かに子供に文字を教えるときに間違いやすい文字だなぁと思いました。
1ページに1文字、のわかりやすさ
ドリルとしての構成は1文字1ページ。
①最初に動画を見る
②(動画に出てくる)魔法の言葉を言いながら書く
③白抜きされたひらがなをなぞる
④マス目に自分で書く
というステップになっています。
最後のページには46文字すべてがまとまったページがあり、コピーして何度も練習できるようになっています。
おわりに
うちの子たちが小さい頃、どうやってひらがなを教えてきたのか私も記憶が大変に曖昧です。
入学前に書けるようになってた子もいれば、入学してからもかなり怪しいひらがなを書いてた子もいたような気がします。
今、小学校高学年から高校生までのそれぞれの学習を見ていると「字をきれいに書ける」というのはやっぱりメリットは大きいなぁと感じています。
もちろん書字の障害など本人の頑張りだけではどうにもならないものもありますが、このドリルで紹介されている動画のように本人が楽しみながら綺麗な字の書き方を、座り方や鉛筆の持ち方も含めて覚えておけるというのは入学前のお子さんにとって大きな力になるだろうなと思います。
次男の入学前にこんな本に出会っていたら、楽しくひらがなを覚えられたのかなぁ…とちょっと切ない気持ちになったりもしました。
(次男くん、ずっと字が下手くそだと言われ続けてきたんですが最近高校でも「お前こんな字書けるんか…」って先生に驚かれたようで、まぁどこで頑張り期が訪れるかはわからんもんです)
最初に紹介した3か条は、ひらがなの習得のためだけでなく子供の学習をサポートする上での保護者の鉄則とも言えるものだなぁと思います。
これを自分に叩き込むためだけにこの本を手に取っても損はないんじゃないかと思うほど、幼少期から思春期に至るまで子供たちの学びに並走する保護者としての大事なポイントになってくると思います。
また、小学校に上がってから始まる宿題の習慣に向けて、自分から机に向かいやすい環境作りの導入としても役立つんじゃないかなと思います。
自分で正しい姿勢を意識して机につく
→自分で動画を見て書く
→うまくいったところを褒めてもらう
書きながら「幼少期にこれやっとけばよかったなぁ」と胃がキュウっとなりました…
うまくやれずに小中高と手こずってきた私の屍を乗り越えて、楽しくお勉強する習慣づけに役立てていただければと思います…(それでもうまくいかなかったら無理せず見守ってあげてね、次男くんみたいにゆっくりゆっくりでもそれなりにどうにかなっていくから!)
せっかくのドリル、私の手元にだけ置いておくのはもったいないので、コロナ禍が落ち着いて親の会がまた再開できたら小さい子のいる保護者さんにプレゼントしようと思っています。